鉄、この部屋

【鉄道ウンチク】今年も「鉄道の日」がやって来る

2012 / 10 / 12

物事には必ず始まりがあるもので、などと小難しい前振りでなくても、単純に人には必ず生まれた日がある。たとえば12月23日は今上天皇の誕生日であり、その日は「天皇誕生日」という記念日(祝日)になっている。もちろん市井の人がたとえば10月30日に生まれたとか、自分の会社が4月1日に設立されたというのも、それは誕生日であったり創立記念日という、誕生を記念した日であることに違いない。
それは鉄道とて同じ。10月14日。そう、今週末が日本鉄道史に最初の一歩を刻んだ記念すべき「鉄道の日」である。

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我が国で最初に新橋―横浜を走った鉄道の様子
(『横浜鉄道蒸気出車之図』1872年・交通博物館所蔵)
明治5年(1872年)9月12日、東京の新橋駅と神奈川の横浜駅を繋ぐ日本で最初の路線が開通した。この「9月12日」は旧暦を使用していたもので、我が国では鉄道開通と同じ明治5年の12月2日で旧暦を終了し、翌日を新暦の明治6年1月1日としている。その新暦に置き換えた日付が「10月14日」ということになる。

日本に鉄道の敷設が検討され始めたのは江戸末期からで、開国後の慶應3年(1867年)に米国公使館に対して幕府が「江戸・横浜間鉄道敷設免許」を発行している。このため明治維新後も米国が鉄道の敷設を進めようとしたが、明治新政府の樹立により「発行元が消滅した、すでに効力のない免許」としてそれを却下。明治2年(1869年)に政府による官営鉄道として、新橋―横浜の敷設が決まった。
鉄道発祥の国である英国から技術や資金などの提供を受け、翌明治3年から測量を経て着工。"多摩川越え"となる六郷橋(神奈川県川崎市)を鉄橋にするか木橋にするかなどさまざまな課題を乗り越えて、まず明治5年6月12日(新暦)に品川―横浜が初日2往復、翌日から8往復で仮開業を開始した。

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一方の発祥の地、桜木町駅ではこんな展示も
そして10月14日、新橋―横浜の開業全線を"お召し列車"とともに明治天皇が往復し、翌15日から普通営業を開始。当初は1日9往復で所要時間は片道53分。運行されていた車両は蒸気機関車、客車ともすべて英国からの輸入で、運転士である機関士も英国人が務めていた。
なお、開業した新橋駅があった場所は現在の新橋駅ではなく、大正3年(1914年)から昭和61年(1986年)まで貨物駅として存在していた汐留駅になる(現在は「旧新橋停車場」として「鉄道歴史展示室」などが存在する)。そして横浜駅は現在の桜木町駅である。
ちなみに六郷橋は、経費削減のため木橋を採用したが、あっという間に老朽化し開通5年で鉄橋に変更されたことを最後に記しておく。

この全線開業した10月14日を記念し、大正11年(1922年)に「鉄道記念日」が制定された。"官営の鉄道が開通した日"として以後、かつての国鉄やJRグループにて記念式典やイベントなどが執り行われていたが、"日本に鉄道が誕生した日"という日本全体の慶事にするべく、運輸省(現在の国土交通省)が官制色を薄めるように提案し、平成6年(1998年)に「鉄道の日」として再スタート、いまやJRグループだけでなく、全国の鉄道事業社がこの日を祝っている。

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こんなのもいるらしい。
鉄道の日キャラの「テッピーくん」
毎年この時期に合わせて、全国津々浦々でさまざまな鉄道イベントが組まれている(こちらのサイトに詳しい。ぜひご参照を)。首都圏最大規模で19回目を数える「鉄道フェスティバル」こそ先週末に終了しているが、本番となる今週末、140年前の鉄道開通に想いを馳せに出かけるのもいいのではないだろうか。いや、それがいいって(笑)。











連載 鉄、この部屋   記:

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