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vol.12 小林達史

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【プロフィール】
小林達史 (21歳)
画家。宮崎県生まれ。 2003年、二科展デザイン部門史上最年少大賞受賞、宮崎日日新聞社展デザイン部門大賞受賞、二科展ポストカード部門奨励賞。
2005年、全国学生美術展推賞(最高賞)受賞、クラブイベント『RHYTHM』、『joint』で作品展示。
2006年、第一回個展『粋』開催(後援 株式会社霧島酒造)。
2007年、アートイベント『ARTEVEKTOR』に出展(横浜)。

Kobayashi Tatsufumi Web site.
http://www.kobayashitatsufumi.com

【小林達史さんに7つの質問】

Q1:絵を描き始めたのはいつ頃から?
母が絵描きで、絵画教室もやっていたので、物心がついたときには落書き程度にいつも絵を描いていましたね。小学生のときも、昼休みにクラスメートたちがサッカーや野球をやって遊んでいるのに、僕は教室にひきこもって絵を描いていることが多かったように思います。中学生になると美術部に所属して、ポスターなどを描いていました。

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Q2:画家になろうと思ったきっかけは?
高校は商業デザインの学科に入学したんですが、その時点では画家になろうなんて考えてもいませんでした。ただ、ラッキーだったことに、デザイン学科の先生が絵画寄りの指導をしてくれる人で、おかげで僕の作風もベタ塗りのポスターから、もっと広がりのある絵画的なものに変わっていったんです。そして、16歳で初めて描いた絵画的作品が、たまたま大きな賞(二科展デザイン部門最年少で大賞受賞)を取ることができ、画家になりたいという夢が膨らんでいきました。それからは、学生という気分ではなく、早く一人前の画家になりたいということばかりを考えていましたね。

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Q3:初個展が19歳のとき?
高校の先生は、美術大学に行くことを勧めてくれたのですが、僕は進学しないで画家として活動していく道を選びました。高校を卒業する以前から、ショッピングモールに作品を展示したり、グラブイベントに出品したりしていたので、大学に行って学ぶよりも、どんどん世の中に作品を出していって、早く画家として認められたいという気持ちのほうが大きかったのです。そこで、19歳のときに、地元で個展を開き、それまでに描きためた作品を20点ほど展示しました。その作品はすべて完売し、おまけに40枚の絵の追加注文も受けることができたんです。ちなみに、このときに得たお金で上京し、一年半くらいの間、暮らしていくことができました。

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Q4:小林さんの絵画の特徴は?
昔の作品は結構、海外の抽象画の影響を受けていたと思います。でも、もっと自分なりの作風が欲しいと意識するようになってからは、具象画に変わってきました。背景を書いて、その前にモチーフをドーンと置くパターンが多いです。モチーフとして好きなのは鳥ですね。鳥は描きごたえがあるし、特に目の描き方次第で死んだ感じにもなるし、生き生きとした感じにもなるので、目を描くのが楽しみなんです。そのほかの動物も描きますが、馬や象など、その存在感だけで力がある動物は描きません。基本的に僕の場合は、視界に入りやすい、A4〜B3サイズの小さい絵がしっくりくるので、大きな動物はそのサイズだと描ききれないんです。そのほか、人物画も、僕にとっては内面の雰囲気を出しやすいので、好きですね。
描きたくないのは、猫などのように、フワフワ、モコモコしたモチーフ。どちらかというと僕の作風は、やわらかい作風ではなく、とんがった感じの作風なので…(笑)。同じ理由で、のどかでキレイな風景画も苦手です。その逆に、廃墟や荒廃した土地を描くのは大好きなんですけれどね。


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Q5:どんな世界観を描きたいと思っているの?
絵を描くときにかけているBGMは、イーグルスやビリー・ジョエルなど、60’〜80’年代の洋楽ばかりです。そんな音楽を聴いていると、海外のいい感じの街の風景が浮かんできて、街の日常がイメージされてきます。最近、描きたいのはそんな日常世界。ただし、そこに行ったことのない僕たち日本人にとっては、現実感のない世界なんです。そして、絵を見ているうちに、メランコリックな気持ちになって、涙が出てきちゃうような雰囲気を醸し出せるものが描きたいです。例えば、海外の森にポツンと置かれたペンキが剥げたベンチとかね。うーん、言葉では表現すると難しいですが、いわばノーコンセプトなんだけれど、ストーリーを感じさせるような絵といったらいいでしょうか(笑)。

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Q6:画家生活を送っていてたいへんなことは?
やはり絵に対するモチベーションを維持するのがたいへんです。描きたくない日々が続いて、「絵を描かなかったら、単なるニートじゃないか」なんて思うと、「大学に行っていればよかったかな」なんて弱気になることもあります。そんなときは、上京して美大に通っている高校の同級生を呼び出して、語り合うようにしています。すると、学生でいられるのを羨ましいと思っていた僕に対して、友達は逆に、「ちゃんと画家として頑張っていて羨ましい」などと言ってくれ、それによってモチベーションが上がることがよくありますね。
心がけているのは、外出するときはカメラをいつも持ち歩いて、モチーフになるものがあったら写真に収め、家に帰ったらその日のうちに描いてしまうこと。そうしないと、ついダラダラ過ごしてしまいますからね(笑)。

Q7:今後の展望は?
来年の1月に、横浜の「ギャラリー元町」というところで個展を開くことになっています。小さなギャラリーですが、上京してから描きためた作品を15点くらい展示する予定です。表現する仕事である以上、できるだけ多くの人に見てもらう機会を作り、絵を欲しいといってくれる人がたくさん出てきてくれれば嬉しいです。それには、1点、1点自分で納得がいく絵を描いていかないといけないですね。そして、死ぬまで絵を描き続けていけたらいいなと思っています。

取材を終えて—

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これまで、アートの世界で、数々の輝かしい受賞をされてきた小林さん。最初にポートフォリオを見せてもらって、その作品のもつエネルギーやインパクトの強さに圧倒されてしまいました。小林さんは、まだ21歳という若さながら、しっかりと画家という職業で身を立てている人なのだなということをつくづく感じました。ご本人いわく、困っているのはこれといった趣味がないことだとか。「唯一の趣味を仕事にしてしまうと、息抜きができないです」という言葉からも、画家として、日々作品作りに精進している姿がうかがえます。











読み物 BigUp   記:  2008 / 12 / 01

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