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vol.7 猪原昌朗

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【プロフィール】
猪原昌朗 (30歳)
空間デザイナー。武蔵野美術大学造形学部建築学科を卒業後、イタリアに留学。4年半の滞在期間中に、フリーのデザイナーとして活動を始め、ローマで開催された芸術コンペで優秀賞を獲得。帰国後、友人と株式会社を設立するも、経営理念の不一致により会社を離れ、1年半前に個人事務所「UOVO」を立ち上げる。飲食店、ジュエリーショップ、アパレルショップなどの店舗設計&プロデュースのほか、Web、グラフィックなど、幅広いデザインをこなしている。。

【猪原昌朗さんに7つの質問】

Q1:デザインの道を目指したきっかけは?
幼少時代から絵や工作が得意で、中学生の頃には、将来は美術やデザインなどのクリエイティブな世界に進みたいと思っていました。ところが、父が厳格な人で、「美術の世界などもってのほか」という感じでした。そのため、高校時代は、歯学部や医学部など、とにかく偏差値が高い大学を目指すように言われていたのです。
しかし、大学受験が迫ってきたときに、「ここで反抗しないと好きな道に進めない」と奮起し、いろいろとリサーチした結果、美術大学に建築学科というのがあることを知りました。それなら理科系なので、親が納得するのではないかと考え、武蔵野美術大学の建築学科に入学したのです。これで、大好きなデザインの世界が待っていると思ったら、「やった!」という感じでしたね(笑)。

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Q2:大学卒業後、イタリア留学を決意したのは?
就職活動をする時期になって、いろいろと悩み始めました。建築学科を卒業しても、アトリエ系の事務所に勤めたり、ゼネコンや工務店に就職したりする人がほとんどですが、それだと自分で自由にデザインすることは不可能でしょう。かといって、建築家になるのもなんとなく気が向きませんでした。大御所の建築家に「建築一筋でやっていっても、なかなか食えんよ」という話を聞き、それはちょっと嫌だなと思っちゃったわけです(笑)。そんなときに思い出したのが、ローマ大学を卒業した学長がしてくれた、イタリアの建築家の話です。レオナルド・ダ・ヴィンチを始め、イタリアの偉大なアーキテクトと呼ばれる人たちは、建築だけでなく、絵画や都市設計などいろんな作品を残しています。「ジャンルにとらわれて仕事をするのは自分には無理」と考えた私は、自由に創造できる空気にあふれたイタリアに留学することにしたのです。

Q3:イタリアではどんなふうに過ごしていたの?
イタリアには4年半くらいいました。最初は、ミラノの美術学校を転々としなから、建築家のオフィスでアシスタントの仕事をしていました。大学時代に結構デザインのスキルを磨いていたので、即戦力として働くことができたんです。そして、学生期間を終了してからも、イタリアに留まってフリーランスで活動。私自身のデザインが、コンペで優秀賞をとったり、仲間と企画&デザインしたものが世界中のデザイン誌に取り上げられたりなど、なかなか中身が濃い時間を過ごせたと思います。
ただ、異国でずっと活動していくのは、ビザや税金の問題もあるので、「やはり日本に帰って、自分の確固たる形を築こう」と思ったわけです。

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Q4:帰国後はどんなふうに仕事を始めたの??
フリーランスで仕事を始めようかとも思いましたが、イタリア留学時代に知り合った友人と「物づくり」に関する意義が一致したので、2人で株式会社を設立しました。ところが、1年が経った頃から経営面で意見が合わなくなり、私が会社を離れました。そして、今から1年半前に、個人事務所「UOVO」を立ち上げ、フリーで再度出直すことにしたのです。UOVOとは、イタリア語で「たまご」という意味です。たまごは、周りから温めて守ってもらわないと生まれることができません。「まだまだ未熟なので、みなさんの助けを借りて仕事したい」という気持ちがこめられています。そのほか、たまごは生命の根源であり、絶対的な形なので、そこから希望が生まれるというニュアンスもあります。

Q5:現在はどんな仕事が多いの?
今は、7割くらいが飲食関係の店舗のデザインです。あるチェーン店の居酒屋とは顧問契約を結んでいます。コンセプト作りから始まり、どんなデザインにするか、ロゴをどうするかなどを一任させてもらっています。そのほかは、ジュエリーショップや、洋服関連のデザインをすることもあり、これまで手がけた店舗は15店を数えるようになりました。また、グラフィックやWebのデザインを頼まれることもあり、ジャンルを決めず、幅広くやっています。


Q6:フリーのデザイナーとして大切なことは?
プロではなくて一般の人でも、感性があっていいデザインをする人はたくさんいます。そこで、「プロだとハッキリ言えるのはどういうことだろう」と考えてみると、クライアントさんのイメージをしっかりと汲み取って、具現化できることだと思うんです。そのためには、人としっかり会話ができる能力が必要だと思います。
また、クライアントさんとのコラボレーションも重要です。例えば、飲食店を評価する場合、提供する食事、サービス、店の空気などがあり、デザインは一つの要素にすぎません。ただし、すべてを分業制にするのではなく、互いの立場から熱く意見をぶつけ合うことができたら、素晴らしいものが完成するし、自分の力以上のものを発揮できると感じています。

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Q7:これからどんな方向をめざしていきたい?
空間デザインには、どうしても時間と予算というものが関わってきます。時間に追われ、制約がある中で、多くの物件をこなしていくのは、若いときであればスキルを伸ばすのに役立つでしょう。でも、将来的には、時間や予算をたっぷりかけられる、もっとプレミア感のあるデザインをやっていきたいです。そういう見栄えのある作品があれば、次にいい仕事につながるでしょうし、活動の幅が広がっていくと思うからです。

取材を終えて—

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個人事務所を開設して、1年半くらいの間に、次々と素敵な作品を世に送り続けてきた猪原さん。多忙のあまり、家に帰れず、事務所で寝てしまったこともよくあったそうです。でも、近況によれば、事務所と自宅を一緒にするべく引越しをしたとか。これで安らぎの時間を得やすくなり、ますます作品作りに磨きがかかることでしょう。「仕事の上で大事なのは会話」というだけあり、とても流暢な話し方で、インタビュアーはとても助かりました。趣味は、「お酒を飲みながら人と話をすること」とか。
猪原さんのデザインした店で、一度ゆっくりお酒を飲んでみたいものです。











読み物 BigUp   記:  2008 / 07 / 01

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