勝手に読書録

剣岳 -点の記-

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作者名:新田 次郎
ジャンル:小説
出版:文春文庫

劒岳 -点の記-(文春文庫)


本作を百倍楽しむ法のひとつが「剱岳に登ってみよ!」であることは間違いないだろう。実際に足で取材した著者の表現がひとつひとつ、実際の山容を彷彿させる。

でなければ、2009年の夏公開される同名の映画はぜひ観たいところだが、その前に「黒部の太陽」をレンタルして予習しておけば、準備万端。

剱岳登山のありようを変えた最初の大きな節目が、本作で描かれている柴崎芳太郎の初登頂。日露戦争直後、軍の命を請け地図作成の基となる測量に入った実在の人物だ。

当時、立山一帯は地図上は空白だった。ことに剱岳は宗教的理由から「入ることを忌まれた山」ともされ、前人未到、もちろん取り付き地点さえ不明な頂だった。
ワラジにミノ、雨漏りするテント…。想像を絶する過酷な条件での剱岳登頂は読んでいて胸が痛くなる。
剱岳山頂に頂上を示す三角点を設置し、周辺の複数の頂から計測するために、立山一帯の頂をことごとく登り尽くしている。それはもう、壮絶な作業。
「点の記」は三角点を設置し測量する過程の記録の意だ。

巻末に収められている新田次郎の取材記録もすこぶる興味深い。
黒部ダムならびにアルペンルートは作品発表の数年後に開通し、ゆったりスケジュールで2泊3日、ゆとりの信濃大町前泊でも3泊4日で剣岳登山を可能にした。
立山連峰のどてっ腹に貫通したトンネルをバスやケーブルで抜ければ、柴崎らが数日かけ、作者も1日がかりでたどり着いた「室堂」に、わずか1時間足らずで着いてしまう。

作者の思い「隔世の感あり」をまた2重に想う。

が…
柴崎や作者の時代と少しも変わらず、剱岳登頂最後の登りはそれは厳しい。山を登るというより、岩をよじ登る感じですぞ。
念のため。

*本作の表題は正しくは「劒岳」だが検索設定の都合上「剣岳」とした。












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