勝手に読書録

蒼い時

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作者名:山口 百恵
ジャンル:小説
出版:集英社文庫

蒼い時(集英社文庫)

伝説から神話へ 日本武道館さよならコンサート・ライブ 完全オリジナル版(DVD)


『白夜行』の映画公開にあわせて小説版の広告が新聞に掲載されていたのだが、そこの「白夜行の時代を読む(80〜90年代の傑作選)」という特集広告にて、山口百恵の『蒼い時』が紹介されていた。改めて文庫本を探してみると、「2011年1月12日 第60刷」とある。おお、やはり“傑作選”に相応しい一冊ですね。

1980年……この年は私にとってさまざまな少年時代の思い出が終わりを告げる年になりました。
1月16日、成田空港にてポール・マッカートニーが大麻不法所持で逮捕され、日本公演はすべて中止(当然、チケット持っていました)。9月25日、ジョン・ボーナムが事故で死亡。12月4日、レッド・ツェッペリン解散発表。12月8日、ジョン・レノン射殺!
そして……3月7日、山口百恵が引退を発表。10月5日、山口百恵日本武道館ファイナルコンサート後引退。
この1年で私の少年時代の音楽の骨格が失われてしまったのです。

さて、そんな、引退間近の山口百恵が9月13日に発表したのが『蒼い時』、もちろん予約して購入しました。70年代を代表するスパースター・山口百恵。アイドル歌手、そして女優である私よりちょっとお姉さんのこの赤裸々な自叙伝は、少年だった私にとって、それはそれは衝撃的な内容でありました。今回改めて読み直しましたが、この自叙伝は30年前、当時人気絶頂だった21歳の女性による、“誠実でない大人”に対する等身大の叫びではなかったかと思います。

出生の秘密、実父とのトラブル、性体験、そして出版社との裁判……細微に渡る描写は、14歳でデビューした少女を、ここまで大人たちが追い込んでいいものなのかを感じずにはいられません。その後に綴られる結婚、引退への道程には10代の少女の素直な気持ちがそのまま表され、彼女なりの価値観で専業主婦の道を選んだ理由(当時は女性が社会進出し始めたころで、彼女はその自立した女性の代表的な扱いをされていた)も納得させられます。彼女が引退後、ほとんどメディアに登場しないことは、スーパースターが犠牲にせざるおえなかった家族への思いかもしれません。

ロックバンド『Peaky SALT』のファン、映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』のファン……どちらも息子さん(兄・三浦祐太朗、弟・三浦貴大)のファンですね。そんな山口百恵を知らない世代も、昭和の歌姫の物語をぜひともご覧あれ!

あ、最後にふたつ。
私はいまでも山口百恵の歌をよく聴きますが、彼女は「歌を歌っていない」んですよ。「語り」かけているんです。日本武道館さよならコンサート・ライブにて、その映像もご覧ください。特にラストの『さよならの向こう側』は凄いですよ。
さらに……今回改めて本作を読み終えて気がついたのですが、この本の装丁、私が敬愛する菊池信義氏のものでした。当時まだ、デザインの勉強をする前の私は知る由もない……そうだ、次回は菊池信義氏について書きますね。












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