勝手に読書録

曙光の街

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作者名:今野 敏
ジャンル:ミステリ
出版:文春文庫

曙光の街


"ボディーガード工藤兵悟シリーズ4"を読めば、必ず本作に手が伸びると言った。だが、作品歴から言えば、本作のほうが早い訳で、既読の向きにはもったいつけてつべこべ能書きたれるなどチャンチャラ可笑しい、片腹痛いことだったろうといまさらに反省。
しかし……
机上に両シリーズを並べ、今まさにどちらから手にしようと思案中であるなら、まずはボディーガードシリーズの4巻を読み上げてから、その興奮冷めやらぬうちに本作にかかられんことをお勧めしたい。
そのくらいボディーガードシリーズ4で膨らんだ妄想に読者心は支配されていようから、その張りつめた期待感は本作の最高のスパイス、いやそれ以上、もしかしたら作外の隠れ立役者たり得るに違いない。

膨らみ切ったバルーンを胸に押し込んで、いつ何時「パーン」と弾けても、即反応できる構えでもって読み始める。いつ来るかいつ来るかと待ち受けるが、なかなか「パーン」とはいかず、さりとて銃弾を受けたシャツの胸にじわじわと赤いものが滲み出て広がるようで、その引っ張り感も悪くない。比較の問題だが、ボディーガードシリーズに比べれば、本作はやや進捗が緩やかなぶん、読み進めるモチベーションを支えるに大いに貢献している。
というか、ストーリーはすべてあたかも、最後の最後のドラマティックな終結を迎えるための布石の累積のよう。作品に浸りきって、一石一石、丁寧に積み重ねていくがいいのだ。道はその石積み・ケルンの間にこそ正しく開かれている。漏らさず石を追った先の頂に立てば初めて、いつの間にかすべての謎が解けていることに気づく。

だが……
さて困った。本作は本作で長々たるシリーズの一端を担っているに過ぎないとは、本作を入手の際に知れることなのだが、そんなこんなで「ツンドク」が一気に増えてしまった。妄想の膨張を誘ったキャラクターが登場するもう一冊は、すぐにも読み始めるとして、その後はどうするか……

本作のシリーズ「倉島警部補」シリーズに道をとるか、はたまたハンドルを切って、間もなくTVドラマの放映が始める科捜研STシリーズに行きたくもあり、なんとも悩ましい。

と言いながらたぶん……
なんせ、ミーハーなんですわ。
ぽぽぽ……












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