初恋物語

勝負なし

高校生活3年間の「恋」戦線は3戦3敗1引き分け、と書いた。
すでに「あれ?」と思われた向きもおありだろう。勘定が合わないものね。

「1引き分け」の話である。
もし獅子奮迅の働きぶりで、それでも戦いを分けたのなら4戦3敗1引き分けだろうが、闘わなかったのである。

確か高校1年の時だけ同じクラスだった。男子はおとなしいというわけではないが、特に際立って目立つタイプではなかった。
同じクラスの時も違うクラスになってからも、「親交があった」というほどではないが、かといって「疎遠」だったかというと、そうでもない。
真似事で書き散らした「小説もどき」のほんの出だし、中原の言音に憧れて真似びした詩などを見せたりした。なぜ見せる相手がその男子だったのか、そこが不思議。
男子は実に誠実だった。書いたものを返す時の困ったような顔を今もうっすら覚えている。「これだけじゃあ、わからないよ。もうちょっと続ければ」
けなしはしない。かといってお世辞を言ってごまかしたりはしない。

卒業後もたまあーに会った。1年に1、2回ほど?いつもワタシから連絡すると、都合をつけてくれた。男子から連絡があった試しは一度もなかったように記憶している。
何かの相談があるとか、特に話したい話題があるとか、そういうのではなく、当時の学生なら集まれば話題になるような学生運動の話しをしたり、互いの現況を語ったりした。
男子が専攻している民俗学・文化人類学の話はなかなか興味深かった。「探検部」を立ち上げて、ボルネオとかどことか、そこらへんの「ロングハウス」たらなんたらを調査しに行ったとかなんとかの冒険話は聞いていて飽きることはなかった。
「今度くっついていこうかな」
「来れば」
みたいなことだった。マジで行く気になれば拒まれることもなかったろうが、ついにその機会はもたなかった。

何年次だったか忘れたが、例によって気まぐれで連絡し、どこだったかの喫茶店で会って話をした。どうしてそのような話になったか、話の経過は忘れたが「われわれは、一体どういう因縁なんだろうか」という話になった。
どちらが先に話題を提供したのか?何か意図をもって「議題」は出されたのか?それすら覚えてはいないのだが。
「いい年の大人の女と男が、互いに性差を意識しない、ということが実におかしなことだ」と話は展開し「どうやら、おかしなヤツ同士らしい」ということで結論付けられた、と記憶している。

その後何年も経って、男子もわたしも所帯を持ち子どもいたのだが、なんだかまた気まぐれに会いたくなって、実家の母上に電話して連絡先を聞いた。
母上とは何度となくお目にかかることがあった。お茶菓子を出してもらい、無類のクラシックファンでいらした母上と音楽の話をしたりした。

まだ赤ん坊だった長男を連れて、男子宅を訪れた。男子は学生時代に喫茶店で話をしたのと同じ体温でわたしを迎え入れた。奥様は実にかわいらしい素朴な方で、心からの二人のもてなしで、わたしはとてつもなく心落ち着く時間が持てた。

つい2年前、同期生名簿に男子の名を見つけて、なんだか懐かしく、思わず電話をかけた。男子はちっとも変わらなかった。
「へー、行ってみようかな?」
「来れば」
で、北海道へでかけた。奥様や男子(ほんとはもう男子じゃおかしいよね。ま、いっか)の教え子と一緒に飲んだ。楽しかった。

なんか、一生、そんなお付き合いをしていきそう。
そう思える今日この頃なのだ。
ってか、そう思っているのはわたしだけで、実は大いに迷惑しているかもしれない。
なにせ、わたしは並外れたオッチョコチョイだということが最近実証され、思うにそれは今に始まったことではないはずなのだからして。











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