VIVA ASOBIST

vol.10:揚野雅史
「マイクスタンドが杖に変わってもやるで!」

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【プロフィール】
フランチャイズチェーン《味自慢ひっぱりだこ》代表取締役
《予備自衛官》一等陸曹

vol.11_01.jpg 自営隊?バンド?! ま、いっぺん聞いてみなはれ

京阪電車を古川橋で降りて徒歩1分。正月気分もすっかり抜けた1月 28 日の夜、駅前の喧騒から離れた一角にあるライブハウス《 AREA 51》に集まったのは《自営隊 BAND 》のメンバー7人だ。

この日は約4ヵ月ぶりのライブ。メンバーそれぞれに仕事や学業があるので、手の空いた者から三々五々やってきて機材の点検・調整に余念がない。ボーカルの揚野雅史さんが到着したところで、音合わせが始まる。狭い店内にロックのリズムが響く。

「床が滑ってドラム叩いたら動くねん」
「ギターもうちょっと抑えて」
「ボーカルのマイク、ハウリングしてるぞ」

現場で出てくるいろんなハードルをクリアしながら本番に備える。

――そもそも、なんで《自営隊 BAND 》なのか

vol.10_02.jpg 大阪の粉モノ文化の双璧を成す、たこ焼とお好み焼き。揚野さんはたこ焼のフランチャイズチェーン《味自慢ひっぱりだこ》の代表取締役を務める。
大手電機メーカーを脱サラ、屋台一つからのスタートだった。40歳で会社を設立し、翌年からFC展開を始め、これまで撤退店ゼロ、赤字店ゼロをキープ。今では年商10億円を稼ぎ出すまでになった。(写真は本店@大阪・門真市幸福町) http://www.hipparidako.net/index.html そして揚野さんのもうひとつの顔が《予備自衛官》。階級は一等陸曹。日本に有事があれば防衛庁長官の命令で召集されて自衛官となり、小部隊を率いて防衛の任務につく――という使命を持っている。 かつて自衛官として通信隊に勤務し、今は会社経営の傍ら予備自衛官として年間5日間の訓練に汗を流す。自営業者であり自衛官でもある。それがバンド名の由来だ。

vol.10_03.jpg 揚野さんが現バンドマスターの森宣繁さんと音楽活動を始めたのは、今から 20 数年前。今のような《自営隊 BAND 》になったのは今年で4年目だ。 20 歳の女子大生から 48 歳の揚野さんまで、メンバーの年齢層は広い。すなわち平均年齢も高い。

だからライブを聞きにやって来るお客さんの年齢層も、メンバーの年齢層に合わせて幅広い。揚野さんや森さんの知り合いだろうか、近所のおばちゃんもやって来る。客席とステージの距離が近いので、おばちゃんと揚野さんの台本のない掛け合いが突然はじまる。これで客席を沸かせるのもライブの醍醐味だ。

この日行われたライブは全8曲。お客さんが集まり次第はじめるというアバウトさがいい。文句を言う人は誰もいない。もっとも店のキャパシティが少ないので、 20 人で満員になってしまった。

vol.10_04.jpg 「よし、やろか」

予定より少し遅れて、メンバーがスタンバイする。

全てオリジナル曲で、アップテンポのハードな曲、バラード調でしっとり聞かせる曲、バンドのコンセプトである演歌のスピリットを前面に出した曲、そして韓国語で歌い上げる曲などバラエティに富む。

2曲歌い終わった時点で、ボーカルの揚野さんはもう汗だく。首を振ったとき、メガネが汗で滑って飛びそうになったほど。

1時間弱のミニライブは大盛況のうちに終った。想定外のアンコールまで求められて急遽、楽譜すら用意していなかった曲を演奏した。

「年齢は関係ないですよ。おっさんやからロックをやったらアカンということはないので、歳がいくつになっても好きなことはやり続けて行きたい」と森さんは語る。そういえば昨年秋のライブでは「マイクスタンドが " 杖 " に変わっても続けるで」と、揚野さんもMCの中で言っていた。

何十年か後、本当に杖をついて歌っているかもしれない。そんなパワーを感じさせる《若き!オッサン BAND 》。ロック魂はとことん熱い。











読み物 VIVA ASOBIST   記:  2005 / 11 / 01

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