VIVA ASOBIST

vol.38:久米たかし
写真で伝える銭湯のぬくもり

vol.38_prof.jpg

【プロフィール】
1966年
日本大学芸術学部写真学科を卒業し、博報堂写真部に入社。
大手メーカーの広告写真撮影を数多く担当。
1971年
フリーとなり、自身のスタジオを基点に、広告・出版・雑誌写真など、多方面で活躍。「幼稚園」「小学一〜六年生」などの学習誌表紙を、20年間撮り続ける。

1999年より東京工学院専門学校デザイン科メディア文学科非常勤講師として、コマーシャルフォトなどの教鞭をとる。最近では、文学・文化史関係の撮影も多く手がけている。

代表作に、「群像日本の作家」(小学館)、「古典文学アルバム」「日本文学アルバム」(共に新潮社)「芭蕉全図譜」(岩波書店)などがある。

vol.38_01.jpg 東京の下町・谷中。道ばたの小さなお地蔵さんにお花がそえられている‐‐‐そんな町筋の小さなカフェで、谷中のおふろやさんを撮った写真展が開かれた。
その名も『谷中・初音湯』。
写真家・久米たかしさんの個展である。
昭和初期に建てられた銭湯の写真は、撮影はもちろん現像プリントまで久米さんの手で仕上げたという。建物の外はモノクロ、内部はセピア色というこだわりが、デジカメ写真にはない手作りの風合いをかもし出し、下町のぬくもりをより引き立てている。
久米たかしさんは大学卒業後、大手広告代理店の写真部に入社。数年後に独立し、広告・雑誌写真・出版などを中心にコマーシャルフォトの第一線で活躍してきた。
代表作品のファイルを見せてもらったら、20年に渡り撮り続けた学習雑誌の表紙にアイドルたちがズラリ! 当時の、久米さんの多忙ぶりがうかがい知れた。
時を経て雑誌編集者や広告代理店社員はリタイアしていくにつれ、仕事の依頼も減っていくのは世の常。
「その分、自分の写真が撮れるようになりました」と久米さん。
フリーランスに定年はない。納得がいくまで、仕事を続けられることが強みである。
久米さんは五十台になってから自らの作品を発表し始め、以来2、3年ごとのペースで個展を開いている。
作品の舞台となった初音湯は幼なじみの奥さんの実家。数年前に訪れたとき、脱衣場の高い天井に魅せられた。格天井(ごうてんじょう)といって、現在ではめったに見られない、銭湯独特の建築様式である。
今年の春、谷中のギャラリーカフェで個展を‐という話が来たときに、真っ先に思い浮かんだのが初音湯の格天井だった。さっそく、幼なじみに経由で撮影許可をとり、数日間、初音湯とじっくり向かい合った。

vol.38_02.jpg 少し前まで、銭湯の番台は、男湯と女湯の脱衣所をまたいだ位置から見渡せる位置にあった。現在はクロークのように入り口にあるのが主流。初音湯も例外ではない。
久米さんは、往時の番台から見た光景を再現したくて、男湯と女湯を仕切る壁の梁にのぼって撮影を試みた。
「梁をまたぐように座って撮影したんですが、ズボンが汚れるは当然と思っていました。ところが、汚れない。普段、人の目にふれないところまで、ぴかぴかに磨き上げられていた。そのことに感心すると、お店の人に『そんなことは当たり前!』と返されてしまいました」
と語る久米さん自身、当たり前とはいえない『そんなこと』に気づく人。こまやかな彼の目線で撮影された初音湯という被写体は、久米さんの手で歴史ある神社仏閣のおもむきを感じさせられる作品に仕上がっている。

vol.38_03.jpg 作品の舞台となった初音湯は幼なじみの奥さんの実家。数年前に訪れたとき、脱衣場の高い天井に魅せられた。格天井(ごうてんじょう)といって、現在ではめったに見られない、銭湯独特の建築様式である。
今年の春、谷中のギャラリーカフェで個展を‐という話が来たときに、真っ先に思い浮かんだのが初音湯の格天井だった。さっそく、幼なじみに経由で撮影許可をとり、数日間、初音湯とじっくり向かい合った。
少し前まで、銭湯の番台は、男湯と女湯の脱衣所をまたいだ位置から見渡せる位置にあった。現在はクロークのように入り口にあるのが主流。初音湯も例外ではない。
久米さんは、往時の番台から見た光景を再現したくて、男湯と女湯を仕切る壁の梁にのぼって撮影を試みた。
「梁をまたぐように座って撮影したんですが、ズボンが汚れるは当然と思っていました。ところが、汚れない。普段、人の目にふれないところまで、ぴかぴかに磨き上げられていた。そのことに感心すると、お店の人に『そんなことは当たり前!』と返されてしまいました」
と語る久米さん自身、当たり前とはいえない『そんなこと』に気づく人。こまやかな彼の目線で撮影された初音湯という被写体は、久米さんの手で歴史ある神社仏閣のおもむきを感じさせられる作品に仕上がっている。

vol.38_04.jpg 個展開催中、久米さんは多忙である。
小学校から大学まで、若い日々を共有した仲間、広告代理店時代の同僚が集まるからだ。
くわえて、専門学校の教え子もやってきた。撮影の実地授業でも、生徒たちとよくこの界隈を歩いているそうだ。
「今の若者は、なかなかどうして、人なつこくてかわいいですよ」
と笑う久米さん。そんなところが、生徒たちに人気のゆえんなのだろう。

今後、どんなテーマで写真を撮って行きたいですか? と尋ねると、
「さすがに、今は真っ白ですね」。

さまざまな世代の人々とのつきあいから新しい出会いが生まれ、そこから作品のインスピレーションが生まれるに違いない。
クリエイティブなASOBIST、写真家・久米たかしのこれからに、ぜひ注目していきたい。

「谷中・初音湯」の作品は、今後初音湯に展示される予定です。
初代の思い入れある草津の“湯ノ花”をたっぷり入れた薬湯につかり、磨きあげられた脱衣場でゆっくりと写真を見ながらくつろいではいかが?

初音湯
東京都台東区谷中3-10-3 TEL03-3821-0921
営業時間15:00-24:30  毎週月曜休、祝は翌日休











読み物 VIVA ASOBIST   記:  2008 / 03 / 01

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