VIVA ASOBIST

Vol.102小武芽生
2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―6―

2016年8月にIOCによってクライミングが正式種目として最終承認されてからわずか1年も経たない間に、クライミングに関する社会認識の変化、認知度の高まりは目をみはるばかりです。テレビ放映などで、さらに飛躍的な周知が得られるだろうとは想像に難くありません。 この素晴らしい変貌を歓待し、世界のクライミングの新しい時代の幕開けを喜び、さらには2020年の日本選手の目覚ましいばかりの活躍を心から応援したいものです。そこで「VIVA ASOBIST」では「2020年東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ」と題し、日々研鑽を重ね続けるスポーツクライミングの選手やその周辺に焦点をあてて、皆様にご紹介したいと願うものです。

 

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【プロフィール】
小武芽生(こたけめい)
フリークライマー
1997年北海道生まれ。20歳。大学2年生(2017年5月現在)
【主な戦績】
■国内
2010年8月:第13回JOCジュニアオリンピックカップ大会リード2位
2011年5月:JFAユース選手権2011リード2位…13歳
2011年8月:第14回JOCジュニアオリンピックカップ大会リード3位…14歳
2012年3月:JFAユース選手権2012リード4位
2012年8月:第15回JOCジュニアオリンピックカップ大会リード4位…15歳
2013年3月:クライミング・日本ユース選手権2013…リード1位
2014年3月:クライミング・日本ユース選手権2014リード2位…16歳
2015年8月:第18回JOCジュニアオリンピックカップ大会リード2位…18歳
2016年6月:第30回リード・ジャパンカップ盛岡(日本)リード2位…19歳
2017年1月:第12回ボルダリング・ジャパンカップ6位…19歳

■国際
2010年6月:IFSCクライミング・アジアユース選手権(シンガポール)リード2位…13歳
2011年8月:IFSC 世界ユース選手権 イムスト 2011(オーストリア)リード25位…14歳
2013年8月:IFSC 世界ユース選手権 セントラル・サーニッチ 2013(カナダ)リード9位…16歳
2016年4月IFSC クライミング・ワールドカップ (B,S) 重慶 2016(中国)ボルダリング4位
2016年8月IFSC クライミング・アジア選手権 都匀 2016(中国リード5位…19歳
2016年8月IFSC クライミング・アジア選手権 都匀 2016(中国)ボルダー5位…19歳

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東京オリンピック・スポーツクライミング応援シリーズ―4―の楢崎明智選手からのバトンを受け取ってくれたのは、世界の選手の中でも最も小柄かもしれない小武芽生選手。文字通り「山椒は小粒でピリリと辛い」のとおり、身長差、リーチ差をものともしない戦いぶりは注目の的です。初の国内開催となったボルダリングワールドカップ2017の第4戦・八王子大会決勝戦でも、その雄姿は輝いていました。 今回はその驚異の活躍の源をとくと伺ってみました。



 

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IFSCクライミング・ワールドカップ2016、ナビムンバイ(インド)で
 



たまたま家の近くにあったクライミングジム
小学5年生から初めて
間もなく「人生の半分」がクライミングに!


小玉:大学での専攻は?
■小武:食物栄養です。栄養士の資格をとるために勉強しています。今年2年生になります。短大なので来年卒業です。
小玉:専攻の理由は?
■小武:食べること作ることが好きで、スポーツと栄養学を関連づけていきたいです。食事によって怪我の予防だったり、パフォーマンスの変化が気になっています。
小玉:専攻とクライミングが関係あるわけですね。体重コントロールで減量のために糖質カットすると、低糖質な体になるわけで、そうするとスタミナ不足になる。補おうとして炭水化物などを摂取すると、それまで体が低糖質になっていた分だけ、反動で体重がついてしまうとはよく聞く話しです。
ボルダーは瞬発力が要求されるでしょうが、リードだと持久力も問われる。栄養学的にいうとそういうとこも加味しながら、食事のコントロールはされていますか?
■小武:食べ過ぎないように、適量を心がけています。極端に制限はしていないです。甘いものや油物も制限していないです。制限し過ぎると反動が大きくなったりします。朝ご飯大好きでガッツリ食べますし、お昼ご飯もいっぱい食べます。夜はちょっと、運動しないんだったらご飯を控える、その程度です。

小玉:家族構成は?
■小武:母と父と私が長女で妹と弟がいます。でも誰もクライミングやってないんです。
小玉:誰もやってないのにクライミングをはじめたのはいつ?
■小武:小学5年生で、新しいことを始めたくて。もうひとつは妹が吹奏楽を始めて、土曜日の午前中に遊んでくれる人がいなくなったから(笑)。それまでは土曜日の午後は器械体操をやってました。
小玉:それで体幹はすごく鍛えられたでしょうね。
■小武:運動が好きで、そこで基礎的な力が付けられたと思います。
小玉:小武さんにとってクライミングの存在とは?
■小武:今は生活の一部で、食事と睡眠と空気とクライミングみたいな感じ(笑)。一生続けていきますね。
小玉:小学5年生から始めて、ずっとやってらしたの?
■小武:はい。
小玉:ローカルなコンペとか初めての経験は?
■小武:始めて2ヶ月くらいの時ですかね。リードのコンペに出て優勝できて楽しかった。男女一緒でした。それが大きかったです。それまで、水泳、テニス、スノーホッケーとか、体操とかは、習い事程度で、飽きたら止める感じだったんですけど、クライミングは飽きずに止めようと思ったこともなく。もうすぐ人生の半分がクライミングになります(笑)。
小玉:5年生の時のコンペは自分とクライミングの距離がグーッと接近していった感じですか?
■小武:体操は踊ったり綺麗に動くというのが向いていなかった。クライミングは、自分のスタイルが出せるスポーツでした。

VIVA102_011.jpg 小玉:ジムに通う頻度はどんな感じですか?
■小武:小学校の時は習い事みたいな感じで、週に1回2回ただ登る感じだったんですけど、中学生になったら週に5回になって、いっぱい登り始めた結果、大会で優勝できるようになった。モチベーションがあがって、週に5回ずっと登っていました。高校生まで。
小玉:部活動は?クライミング部なんてなかったですよね?
■小武:なかったです。中学校の時は、何も入らず、高校の時は、軽音部に入っていて、ちょっとドラムを…

中学2年生で国際大会、初出場
いきなり2位で表彰台
頑張れば「いける」!!!


小玉:中学くらいから大会に?
■小武:初めての国際大会が中2のアジアユースかな?シンガポールに行って、2位になれてビックリして、もっと頑張れば、もっていけるのかなって思いました。
小玉:中学から、国内や海外の遠征は土日ですめばいいけれど、そうじゃない時は?学校を休まないといけないじゃないですか、許可をもらわないといけないでしょ。
■小武:W杯は高校生からだった。高校が私立の学校でクライミングにも関心があって、公欠にしてもらって、ギリギリいけたました。大学は公欠がなくて4回までしか休めない。だから4戦までしかW杯出られないんですが、今年は5戦で、夏休みがあるから全戦出られる予定です。
小玉:短大って授業を全部出ないと単位がとれない仕組みになっているから大変ですね。
■小武:ほとんど必修で、高校並みにぎっしり授業もあるし、でも自分で選んだし、後1年なので頑張ります。

小玉:留学されてますけど…。
■小武:高校2年の時に、私のいった高校が英語科で、1ケ月留学しなきゃいけなくて、1ケ月じゃ意味ないから10ケ月と思って、向こうでクライミングする気満々だったんですけど、飛ばされた先がフロリダで、フロリダって、岩も山もない地域で、クライミングは出来ず戻って来ました。高3の6月に戻ってきて、クライミングを再開した感じです。
小玉:英語科って聞きましたけど、高校で専攻があるんですね。
■小武:英語科、音楽、普通科がありました。好きなことを勉強できました。
小玉:高校の英語科と留学の10ケ月で、海外へ行っても全然困らないでしょ。
■小武:なんかしらの方法でコミュニケーションはとれるので。気持ちは楽です。楽しいです。
小玉:留学生活で印象に残っていることは?
■小武:辛かったことは、多かったと思うんですけど、楽しいことしか記憶に残らないので。高校ではソフトボールやってました。外野で走り回って。
小玉:体幹を鍛えるにはよかったかもしれないですね。
■小武:体育の授業でアメフトとかありました。アメリカですから。子供がやるようなしっぽをつけて、それを取る感じです。

VIVA102_012.jpg 小玉:国内戦では2010年に13回ジュニアオリンピックで2位になられてます。
■小武:始めての全国大会の表彰台で、がむしゃらに頑張ったらいけて、頑張って良かったと思いました。表彰台に登ったことは、自分の中では大きいですね。北海道だと周りが見えないので、自分がどれだけ強くなったら全国の何位くらか全然分からないので、とりあえず強くなろうと思いました。
小玉:2013年、日本ユース、リード1位。どんな感じですか?
■小武:始めての優勝だったので、2位だと悔しくて、世界ユースもかかっていたので、世界に行きたくて、印象深いですね。
小玉:2014年は、日本ユース、リードで、また1位。
■小武:高1ですね。高校選手権で優勝した年だと思うんですけど、その時は調子が良くて、落ちる気がしなかった。東京国体では、リードでもボルダーでもどっちも優勝できて、勢いにのっていました。中3で、体型が変わって体重が増えて、不調だったんです。その時に諦めないで登り続けたら結果が出ました。
小玉:女子の場合は節目が大変だっていいますよね。

■小武:女子特有です。ユースの時は最初は勢いがついて強くなるけれど、その後振るわなくなってクライミングから離れちゃう子もいます。
小玉:それは食べ物の質とか量とかのバランスが関係あると感じられましたか?
■小武:その時は、何を食べても太っちゃうので。でも筋肉が付いてくる歳だったので、中2、3からはボルダーをメインにやりました。

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ジャパンカップ2016表彰台
 



小玉:大会はユースの場合、ボルダーがなかったんですね。今は?
■小武:3年くらい前から鳥取でユースのボルダリングのコンペも。
小玉:2015年のジュニアオリンピックのリードで2位でしたけど、どんな感じでしたか?
■小武:復帰戦でした。6月に帰って来て、8月の大会だった。アメリカで太って戻ってきたのを2ヶ月しか戻す期間がなかった。1年ぶりで2位で、その時は妥当な順位だったと思っています。その後に肩の怪我をしてしまって。 小玉:2016年リードジャパンカップで2位。
■小武:代表枠をとりたかったので。ジャパンカップの表彰台は始めてでした。

小玉:初の国際大会、シンガポール戦はどういうのか憶えてます?
■小武:すい壁のルートでした。気温が熱くてスコールも来て、壁が濡れると、セッターが雑巾でホールドを拭き出す。その時はなにも背負ってなかったので、ガムシャラに登りました。そしたら2位だった。

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中国・重慶ボルダリングワールドカップ
 



小玉:2016年の中国のW杯。4位でしたっけ?
■小武:その時は最高記録。決勝に行けたことがなかったので、嬉しかったです。トライ回数で負けて表彰台まで後一歩だったんです。今年リベンジです。

小玉:アジア選手権は中国でしたっけ?リードは5位でボルダリングは6位。
■小武:ホールドも独特でした。ヨーロッパなどではよくあるタイプではなく中国独自のホールドしか使われてないので、持った感じが全然違う。独特です。
小玉:見たことがない初めてのホールドで分からないときはどうしますか?ボルダリングは何回かトライできますね。ただ制限時間が気になりますね。
■小武:北海道は限られたメーカーのホールドしかなくて、全国大会では全部初めて見るホールドだったりしたので中国の時も抵抗感はそんなになかったです。国際大会でもっとも印象深いもののひとつでした。

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IFSC クライミング・アジア選手権2016、 都匀 (中国)で
 


2020オリンピックを目指して
クライミングを取り巻く環境も
どんどん進化していってほしい!


小玉:2020年のオリンピックについてお聞きします。追加種目に8種目選ばれて、その中から5種に絞り込まれ他時にクライミング入っていると耳にしたのは何時どこで?
■小武:ニュースです。軽い気持ちで見ていたら、本格的になりそうになってきて、「ついにクライミングも有名なスポーツと同等に見られてる」と思うと嬉しかったですね。
小玉:自宅でテレビニュースで正式種目になったと報道されているのを目にした時は、「やっぱり」という感じでしたか?
■小武:選考方法とかまだわからないので、自分がどうなるか。
小玉:発表から時間が経って来て、だんだん社会もクライミングに対して目が向いて、盛り上がってきました。時間経過で自分と2020年オリンピックの関連についての見方は変わってきましたか?
■小武:今はリードとボルダーと両方同じ立場にいるので、それだけ見るとチャンスはあると感じています。スピードも加わりますが、選手の選考方法が分からないので、とりあえず目の前のW杯に向けて頑張っています。

VIVA102_013.jpg 小玉:オリンピックに関する詳細は3月に決まるということでしたが、どうなんでしょうね。先日小武さん他若手選手にマイナビ(株式会社 マイナビ)がサポートついたと公開されましたが、 選手を取り囲む状況がどういうふうになっていくといいと思いますか?
■小武:数年前までは、W杯で優勝してもそれだけでは食べていけない状況だったんですけど、今は大会にau( KDDI株式会社)さんとか、三井(三井不動産株式会社)さんなどスポンサーがサポートについてくれて、それだけでスポーツ選手らしく生きていけますね。これからも増えていくと思いますが、それが逆に選手の活動に制限がかけられる要素にはなってほしくないです。クライミングってもともと自由なスポーツなので、外岩登ったり、室内で登ったり、そういった環境が整っていったらいいなと思います。
小玉:W杯全戦出ようと思うと費用がかかりますね。
■小武:自己負担です。
小玉:渡航費用とか滞在費用も含め、チームジャパンとしての参加という形になればいいのではないかという気もします。チームジャパンにサポートが付くスタイル。
■小武:昔と比べたら補助も出てますけど、トップだけに集中してしまって、その下には回ってこないですね。
小玉:監督とかコーチ、トレーナーとか、競技を続ける上で必要な環境がありますね。試合が続けば疲労するし、勝ち上がっていけば筋肉疲労したり痛めたりもします。そういう時には適切な対応が必要です。
■小武:そこら辺はまだ発展していないです。勉強している栄養学、栄養士さんももちろんいないですし、体のケアをしてくれる人も毎回はいないです。監督はいてもトレーナーはいません。日本はまだ海外に比べると遅れていますね。
小玉:メンタルトレーナーも必要ですね。
■小武:スロベニアのコーチが合宿で講義をしてくださって、メンタルが成績の55%に反映するっと。20%が才能で、後は努力。クライミングは気持ちが関係するスポーツだと。

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IFSC 世界ユース選手権、2016 広州 (中国)で
 



小玉:試合会場でチョークの粉が舞っていて空気が吸えないような気がする。呼吸法も大事だという話しを聞いたことがあります。
■小武:息止めたらなにもできない。
小玉:でも、止めるでしょ?
■小武:たまに止めちゃいます。力み過ぎると息を止めちゃって降りた時に、「息してなかった」って感じになるので。
小玉:ハーハーゼーゼーですよね。
■小武:それをしないように心がけています。

小玉:自分なりのメンタルコントロールの方法はありますか?
■小武:松岡修造さんが大好きで、大会前にCCレモンのCMを聴いています。最近、会ったんです。写真も撮りましたよ(笑)。

小玉:3種混合、複合になったんですけど、今までスピードクライミングって日本は縁がなかったですよね。
■小武:去年になってスピードの壁が出来たんですけど、それまでは、
小玉:どこにできたんでしたっけ?
■小武:岐阜の安芸津や明治大学に。私は5年前に海外の合宿でやったくらいです。
小玉:ルートが決まっていて…
■小武:それをいかに速く登るかです。
小玉:決定のルートはずっと同じなんですか?
■小武:ずっと一緒です。なので、反復練習が大切です。
小玉:将来的にずっと3種混合、複合っていうのは改変されないんでしょうか?
■小武:多分、最初なので、これからはメダルの数も増えていって種目ごとになっていくと思います。実際、他のいろんな競技も別れてますし。
小玉:選手層も違ってきますよね。3種混合って言われちゃうと、スピードの強い選手ってめっちゃくちゃ強いじゃないですか。
■小武:でもスピードの強い選手って、他がダメだから。
小玉:世界の上位20位までが出場権取得という条件の中では、スピードに特化した選手は出場権取得そのものが難しい。種目別、個人、総合とか団体とか体操のような感じになっていくのがいいのでしょうか。
■小武:そうなることをみんな願ってます。協会もいずれはそうしたいと。
小玉:2020年を越えた次のオリンピックの時も正式種目で残ると思いますか?
■小武:東京の次はフランスになる可能性が、今のところ高いと聞きます。となるとフランスもクライミングがポピュラーなので、種目として残るのではないかと思っています。

白玉とわらびもちと睡眠とクライミング!
もちもち感がたまらない!
ふわふわに癒される!!


小玉:次はプライベートなことをお聞きします。白玉がお好きとか。添加物が気になって、だったら「自分で作ればいい」となったと。
■小武:ある時、食品、お菓子にもいろいろな成分が入っていることに気が付いたんです。着色料、保存料、それらが入っているものが美味しく感じられなくなってしまって、そうであれば自分で作ればいい、余計なものが入らないし、カロリーは同じだし、と思って、自分でお菓子を作って食べるようになりました。

VIVA102_015.jpg 小玉:白玉のどこが好きなのですか?
■小武:もちもちしているところ。
小玉:いろんなバージョンで試されましたか?
■小武:いろいろしました。みそ汁に入れたり。白玉は何にでも合います。
小玉:へー?!そうですね、すいとんがあるくらいだからね。とりわけ何が?
■小武:黒ゴマやきな粉をかけたり。ニョッキみたいな感じでグラタンにしたり。ゴマを混ぜたのが一番美味しかったです。
小玉:ご飯のメニューは何が好きですか?
■小武:芋が好きです。さつまいも。大学芋とか、自分でスライスして揚げて、サツマイモチップスを作ります。カレーとかも。嫌いなのは酸っぱいものくらいです。
小玉:お肉と魚は?
■小武:両方好きですけど、意識して魚を食べるようにしています。
小玉:肉肉肉肉野菜肉方式ですか?
■小武:野菜も好きです。そういう学校なので。1日350gちゃんと摂ろうと思っています。
小玉:クライマーは肉好きな人多いですよね?
■小武:そうですね。
小玉:パンプした体の後の…
■小武:30分以内にタンパク質を摂る。
小玉:プロテインは?
■小武:摂りません。牛乳を飲んだりはします。
小玉:日常の食生活で気を付けていることはありますか?
■小武:食べ過ぎないこと。野菜をしっかり摂ること。食事によって体が疲れやすくなったり、肌が荒れたりもありますから、お菓子のかわりにナッツを食べたり、ドライフルーツを食べたりします。

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実家で「わらびもち」と。ふわふわに癒されるひと時
 



小玉:他になにか好きなものは?うさぎちゃんとか?
■小武:知ってますね(笑)。実家にウサギがいるんです。「わらびもち」って名前です。動物が好きです。

小玉:大学の話に戻りますがクライミングとの両立で工夫していることはありますか?
■小武:遠征以外は絶対学校に行きます。
小玉:国内の試合は土日が多いですか?
■小武:そうですね。頑張って帰ってきて翌日目を擦りながら行きます。
小玉:年にどのくらい休めますか?
■小武:4回まで。月金が休むことになります。前期4回後期4回。
小玉:来年卒業したら海外の試合も全部参戦できますね。そういう意味でも卒業は楽しみですね。
■小武:そうですね。
小玉:大変な思いをしてクライミングを続ける原動力はなんですか?
■小武:単純にクライミングが好きだから。大会の楽しさが独特で。極度の緊張感と集中の中でいかに力を発揮するか、発揮できたときは泣きそうになるくらい嬉しい。それを1回味わうと、次も頑張ろうと思います。学校に行くことを決めたのは自分ですし、そこはちゃんとして卒業して、それから何年かはクライミング1本でやっていくつもりです。

VIVA102_014.jpg 小玉:セッション方式で準決くらいまでは、選手同士なんかオブザベしながら、「あれはどうするの?」など、話しながら相談していますね。それは不思議な光景に映ります。
■小武:敵同士なのにお互い教え合う感じですよね。それもクライミングの良さです。
小玉:決勝は1課題目で決まらなかった場合は、ラウンド2があるんですか?
■小武:ノースフェイスカップですか?ノースフェイスカップは独特でサドンデスで人数がどんどん減っていって、普通のW杯とかは最後まで登ります。1課題を3人完登してもう3人登れないとしても同等に2課題目にトライできます。だから逆にチャンスがあります。

小玉:ふだんほっとする時は?
■小武:寝る時。寝るの早いんです。
小玉:何時間くらい練習するんですか?
■小武:基本的に平日は6時間ですね。
小玉:練習頻度は週5?
■小武:最近は週4回に減りましたね。子供のころと違って体の作りも変わってきましたので、怪我が心配です。プラスいろいろトレーニングをします。
小玉:クライミング以外の筋トレや体幹トレーニングも?
■小武:はい、します。
小玉:他の2日は、何をしていますか?
■小武:学校が遅い日をレストにします。
小玉:「ご飯食べてテレビ観て寝よう」って?
■小武:テレビないんです。「のんびりストレッチして早めに寝よう」って感じです。

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ボルダリングジャパンカップ2017で
 

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日本選手権リード競技大会2017で
 



小玉:リードもボルダリングもやってらっしゃいますが、どちらが得意でどちらが苦手とかありますか?
■小武:両方好きです。ボルダリングの方は身長の面で不利なところはあります。海外の選手は大きいので。
小玉:身長差、リーチ差が影響しますか?
■小武:でも、それをどう補っていくかが課題です。
小玉:リード、ボルダリングで得意な傾向はありますか?パワー系とかスラブ系とか?
■小武:スラブとか垂壁とか、じわじわいく壁が得意なので、リードは得意も不得意もないです。遠いホールドが出てくるとちょっと嫌ですね。
小玉:苦手なのをどうこなすかという工夫は?
■小武:ともあくん(楢崎智亜選手)は男子では大きい方じゃないけど、身長の違う弟のめいちくん(楢崎明智選手)と一緒に登っていると、とり足が結構旨いんですよ。それを見て研究したりします。
小玉:身長が違うと登り方も違ってきますね。
■小武:リードだと、韓国のキム・ジョイン選手は私とまったく同じ身長なので参考にしています。

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キム・ジェイン選手と
 



小玉:リーチ差をカバーする一番大事なことはなんですか?
■小武:今、探しています。肩など怪我もしちゃったので、登り方も考えていかないといけないと思っています。
小玉:肩はどうされましたか?
■小武:国体前に怪我して出られなくなりました。
小玉:リカバーするのにどれくらいかかりましたか?
■小武:6週間です。クライミングできませんでした。
小玉:膝は?
■小武:去年の8月31日。合宿でやっちゃったんです。世界選手権の前。ヒールの掛け方がへたくそで。
小玉:足首からガキっと決まってる感じだった?
■小武:単純に力を一気に入れた瞬間にポキってなっちゃった。
小玉:自分の力で?うわーッ!それは完治するのにどれくらいかかったんですか?
■小武:1ヶ月くらいかかりました。今も完全に戻っているわけじゃないです。治している途中です。
小玉:いつだったかジムでお見かけした時に片足で登ってらしたのでビックリしました。

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久々に岩!瑞牆で、「指人形SD」
 



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瑞牆でリード
 



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フランケンユーラー(ドイツ)で
 



小玉:怪我などに気を付けて頑張ってください。本日はありがとうございました。

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読み物 VIVA ASOBIST   記:  2017 / 06 / 08

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