はいコチラ、酔っぱライ部

ホントは会いたいのヨ

2014 / 10 / 07

ときどき「いったいどっちの方がいいんだろう?」と考える。そんな風に悩んだ挙げ句にけっきょくは決められず「棚上げ」、というよりむしろ「店ざらし」になっている懸案事項のひとつに

「会った方がいいのか、会わない方がいいのか」

と言う問題がある。

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今回は「マグロ血合いの竜田揚げ」。
酒が進む簡単お安い逸品ですよ
友人・知人のことではない。友人・知人なら(むろん全員ではないけれど)会った方がいいに決まっている。対象は仕事先の人達で、というのもおよそ35年前(と書いて自分でもビックリするけれど)に僕が仕事を始めた頃の仕事の受・発注と言うとこんな感じだったからだ。

最初に連絡をもらうのは主に電話である。とつぜん電話がかかって仕事の依頼があり、そして編集部まで来るよう言われて出版社に出向いて打ち合わせる。場合によっては編集者が家まで来て打ち合わせる、というのがもっとも一般的な仕事を受けるときのあり方だった。

雑誌や書籍など、印刷物の中で使う絵を描くために必要な要素というと

・サイズ
・記事内容
・印刷形態(1色とか2色とかカラーとか)
・編集者の要望

などで、それらを満たすための資料としてレイアウト用誌や文字原稿(またはそのコピー)、あるいは資料などをどっさりもらうのがお定まりの方法である。

その後、バイク便や宅急便、ファックスなどが導入されて、当初よりは仕事先の人達と直接会うことは少なくなったとは言え、それでも10数年前までは仕事場に来てもらって、またはこちらからで向いて打ち合わせをすることがまだあった。

インターネットの普及とともにその回数は加速度的に減った。まず電話がほとんどかかってこない。メールである。「件名」に「イラスト発注のお願い」などと書かれたメールを開けてみると「初めて連絡します。コレコレの内容と納期で発注したいので、受注の可不可を返信でお知らせください」(文体は略 大意)というのが一般的だ。

こちらにしてみるとそれはそれでいいのかな、と思う部分もある。交通費もかからないし、打ち合わせのための時間も省略できる。ただ……。齟齬が発生することが多いのである。

たとえばメールと添付されてきた資料の内容を把握して(したつもりになって)下絵を描く。もちろんそれだけで通じることもあるのだが、たいていが「意図と違う」、「意味が違う」、ひどいときには「絵柄が違う」などということがあって、けっきょく仕事として収斂するまでによけいに時間がかかってしまうことが多いのだ。

おそらくはこういうことなんだろうと思う。たぶん、僕たちは対面して打ち合わせをしているとき、相手の「声音」、「態度」、「顔色」、「姿勢」、「語感」、そして「体温」のようなものについて、五感を総動員して共有する案件を理解、伝達しようとしているのではないか。

だから「文字面」だけでは伝わらない語感や温度を伝えようとして使われるのが、例の「顔文字」「絵文字」というヤツで、「そんなモノに頼らなくては表現できない文章力では使い物にならない」という意見もあるけれど、それほど巧みな文章力が万人にあるとは思えないし「手っ取り早い」方法としては有効だと思う。

でも、やっぱり「対面で接した方が話は早いんだけど」と思うのはこちらがその方法に慣れているからで、いつも「せめて電話で話せていたらなぁ」と思うのはことが起こった後である。

5?6年前のこと、もう現役を退いてしまった同年配の元・編集者に「打ち合わせすることがなくなったこと」について話すと、「打ち合わせに行くのはけっこう楽しかったけどなぁ」と言ったのが印象的だった。

「編集部にいなくてすむし、まずイラストレーターやライター、デザイナーの人達から仕事以外の話を聞くのが楽しい。行き・帰りの時間に本も読めるし寄り道もできる。で、そういうことがけっこう仕事に役立つんだよね」というのだ。

僕もあの「仕事以外の話」を編集者の人達とダラダラしている時間が大好きで、「けっきょく仕事の話は30分で終えて、四方山話ばかり数時間もしていた」なんてことがよくあった。そしてそこで世代や分野の違う人から近頃おもしろい本や映画、音楽や舞台の話を聞くので、結果的にそういった時間が「情報受信」の場としての役割を充分果たしていたのである。

しかし状況は変わった。メールと画像データの送受信で仕事は完了、電話で声を聞くことはもちろん、会うことすらない、というのはもはや茶飯事だ。永い間仕事をしている編集者も、最初に一度会ったきりで10数年来顔を見ない、ということさえある。

近頃はSMSのツールが豊富だから、facebookやmixyなどで言葉のやりとりをしていると「会っていない気がしない」という気分があることはわかる。でもこと仕事をする中でそんな「バーチャル空間」だけのやりとりだけでは、どうも不具合が生じることが多い傾向をどうにかできないかとも考えるのだ。

僕はこんな疑いを持っている。

街を歩いて、あるいは電車内でスマートフォンで四六時中バーチャル・ゲームに興じている人達を見るにつけ、「あの世界から出られなくなっているのではないか」、もしくは「出たくないと思っているのではないか」という疑念である。

僕らの世代とは違い、生まれた時点でPCがそこにあたりまえのようにあった時代の人達だ。開発途上の時代とは打って変わってインターフェースの使い勝手も飛躍的に簡便になったしその種類もふえた。情報へのアクセスの方法を苦労して覚えることもなかっただろう。そういう人達が長ずるに及んで、ひょっとしたら半身を「バーチャル」な世界に浸けたままリアルな世界と接している、と言ってもいいのかもしれない。だからその端末が手放せないのではないか……。

そう考えると実際に「会う」よりもデータの送受信だけで済ませようとする最近の傾向も説明がつくのだが、その疑念は安易に過ぎるのだろうか。

僕としてはホントは会いたいんだけどね。
でもゲームもしないしAKBとかHKTとかKGBとかにもまったく興味が無いし、共通の話題がないからむつかしいかな(´д`)<顔文字

 

 

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まぁ「長いものには巻かれろ」っていうか、「もう後戻りもできない」というか、そう言う気分もあるにはあるんですけどね。でもたまには面と向かって愚痴を言ったり文句をたれたり、オダをあげたり(そんなのばっかりかよ)したいよね。

てなわけで今回の「かんたんレシピ」はそんな「呑み」の肴に最適な「マグロ血合いの竜田揚げ」。カンタン、安い、旨〜い(・∀・)<顔文字

d20141007_pic2.jpg先週の台風にもいいかげん振り回されたけれど、また19号が来るとかいう噂もちらほら。来ないといいけど来たら皆さんお気をつけて。

次回の更新は10月21日の予定です。

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