はいコチラ、酔っぱライ部

怒り新党

2015 / 02 / 03

先日ようやく毎年恒例「年賀状に間に合わなかったので寒中見舞になったハガキ」(長い)の投函を終えた。

たいして忙しくもないくせに怠惰にズルズルと年を越してしまうからそうなるのだが、重い腰をあげてやってみるとあんがいアッサリ終わったりするので、その瞬間だけは「今年こそ11月くらいに印刷して年賀状で出すぞ!」と思ったり言ったりする。でもきっとまた同じ事を繰り返すんだな。あはは。例年のこととはいえ、いささか反省しております。

とはいうもののこの「寒中見舞」には唯一、と言ってもいい長所があって、それは元日から一週間ほどの間に大量に届く年賀状の山に埋もれないこと。お年玉クジの抽選も終わり、年賀状という郵便物の存在などそろそろ忘れる頃に届く一通は「おっ、ハガキが来た」と、どうやらあんがい喜ばれているのではないかと思えるフシがあるのだ。

たとえば元日に年賀状が届いているにもかかわらず、あらためてとてもていねいな御礼のe-mailをいただいたりする。あるいは出していない人からは私信のハガキが届いたりする。これはこちらとしてもたいへん嬉しい反応で、おそらく「年賀状の山」から離れてヒラリと届く一葉がきっと目立つからなのだろう。

だいたいにおいて郵便物と言えば平素ポストに届くのは広告のダイレクト・メールばかり。日常的に私信、手紙の数が絶対的に減少しているからこそ、の心の動きだろうと推測するのは、それらを受け取る僕も嬉しいからだ。とはいえまぁこれもただの言い訳ですね。すみませぬ。

んでこれも毎年恒例、その遅れて出した寒中見舞がポツポツと戻ってくるのも今頃で、先日その「宛所にたずねあたりません」とハンコの押されたハガキ数枚と一緒にポストに入っていたハガキが今回の話題の主役である。激おこぷんぷん丸の巻。

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“激おこ”状態でも美味しい「湯葉のグラタン」をどうぞ

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去年のうちに届いた移転通知を自分の住所録に反映していなかったために戻ってきた数葉のハガキと一緒に入っていたのは、僕が利用するインターネット・プロバイダの会社からのものだった。

僕がインターネット接続のために使っているプロバイダはマンション・タイプ、いわゆるVDSLといわれる方式で、外からの通信ケーブルを管理室内にある機器で受け、そこから各部屋につながる電話線を通じて外界との通信を分配するもの。ハガキはその「マンション共用部通信機器交換」を知らせるための1枚である。

読んでみると交換は機器を新たにバージョンアップするためで、そうすると通信速度が上がるのだという。いいじゃないか。このところどうも通信速度が重いと感じていたところである。

ついては交換工事に際して通信が断続的に切断することがあると注意を促し、さらに工事が終了したら、別途配送されるはずのモデムと交換をしてほしいと書かれている。

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「はて、おかしいな? 新しいモデムは届いていないけれど……」と思いつつハガキをおいて仕事を始めたのはその日の11時頃のことだった。雑事を含めて4時間ほど続けた作業の手を休め、ふと目に入ったハガキをあらためて手に取ってみると作業日程の項目があって、「1月28日午後3時〜午後5時 実施するにあたり、作業時間中に通信およびインターネットへの接続が断続的に途切れます」と書いてある。

「1月28日の午後3時から? 今日じゃないか」

と思った瞬間、ネットが切断した。時計を見ると午後3時。作業が始まったらしい。

実はこの日はとある月刊誌用イラストの〆切日。前日にペン入れしてあった画稿をスキャナーで読み取り、それを印刷データに加工して送ることのできる画像データにするのがこの日の作業内容である。あと30分ほどで作業終了するころのネット切断だった。

「どれくらいかかるんだろう?」

と思ったのはハガキに明記されている作業予定が2時間ほどで、6時半に近くで待ち合わせのアポイントがひとつあるものの、機器交換の工事さえ終われば通信は復旧して〆切に間に合うと思っていたからで、作業員に尋ねるべく半ば呑気にエレベーターで1階にある管理室まで降りていった。作業しているのは以前にも居室内の設備メンテナンスで来たことのある、プロバイダー会社と保守契約をしている系列会社の男性だ。

P「あとどれくらいかかります?」
作「え〜と、あと2時間くらいか……」
P「あ、そんなにかかっちゃいます?」
作「急ぎます!」
P「あ、そんなにムリしなくてもダイジョブですよ、5時に終われば間に合うから」
作「ありがとうございます。でもなるべく急ぎますね」
P「よろしくです。あ、それでまだモデムが届いてないんですけど、今までのヤツでもとりあえずはつながりますよね?」
作「あ、モデムは新しいのじゃないとつながりません。ゆうパックか何かで届いているはずなんですけど」
P「え、そうなの? おかしいな、届いていないんだけど……じゃサポセンに電話してみますね」
作「僕からも連絡とってインターホンでお知らせします」
P「よろしくー」

ここまではまだ気分も「のどか」だった。何かの手違いでゆうパックの不在通知が僕に届いていないだけだろうと思っていた。その配送記録さえ確認できれば受け取れると思っていたのである。プロバイダー会社のサポートセンターへの電話も比較的早くつながった。

電話に出たのは推定20代後半の女性。電話しているのは契約者本人の僕であることを確認された上で以下のことを伝える。

・ハガキを受け取ったのが作業告知当日の今日であること
・新規のモデムがまだ届いていないこと
・今日の午後6時までに送信しなければならないファイルがあること

「申し訳ありませんでした。早急にお届けします」そう返ってくるものだと思っていた。「よろしくお願いします」と電話を切れると思っていた。
しかし「お調べしますのでしばらくお待ちください」と、10分ほど待たされた後に返ってきた答えは驚くべきものだった。

・手違いでモデムの発送が遅れている
・今日届けるのはむつかしい
・明日には必ず届ける
・近くにインターネット環境があればそちらを利用してほしい

あり得ない。24時間通信できるのがブロードバンド(常時接続)のブロードバンドたる所以である。契約もそうなっているはずだ。それを1日切断するという。不便を我慢しろという。そこでこう言った。

「怒りたくないけれど、怒ってもいい?」

「ぷんぷん丸」開始。ここから一気呵成にまくし立てた。ひたすら謝り、翌日の配送を主張する女性に強い口調で

「あなたでは埒があかない。上の人を出してほしい」
「午後5時までに通信が回復しない場合は、やむを得ず国民生活センターへ通報する」

と繰り返した。電話を切らせてくれ、あらためて上司から連絡をさせると女性は言ってきたが、いつ連絡をもらえるかわからないので時限を切った。「何分後に電話をもらえるか」「15分だけ待つ」。渋々ながらそれを承知する女性の声を確認していったん受話器を置いた。

不思議だった。「屋根の修理をさせろ」、「投資しろ」、「不要品を買い取らせろ」などとしつこくかかってくる悪質な電話勧誘相手に怒った後には、必ず得も言われぬ「不愉快」な気分になるのに、そうならないのである。

思うに、不要品買取や投資を勧誘する電話の主に対しては「相手にとっては勧誘すること自体が仕事」という認識があるのに対し、今回の件については先方のミスによって起こった「とうぜん履行されるべき契約内容を不履行にすること」をこちらになんの理由もなく強いていると考えられる、決定的な「怒る理由」がこちらにあったからではないか。

「電話勧誘」という、僕が考えてもそれほど有効ではないと思える手段にせよ、受話器を手に電話をかけている当人にとってそれは会社から命じられた仕事の一環であって、それについて相手から怒鳴りちらされたりしたら、僕だったらずいぶん凹んじゃうだろうなぁ、と知らないうちに相手の気持ちを想像して、勝手に「不愉快」という名の罪悪感を感じていたような気がするのだ。

一方、今回の電話では、状況は逆にこちらに「無理を呑め」という主張を一向に崩さないことに対しての発言なので、そういう罪悪感があまりないんじゃないかなぁ……などと考えているとインターホンが鳴った。件の管理室で作業をしていた男性だった。

「あの〜、モデムが届いていないと連絡受けたんですけど、僕、たまたま作業確認するための新品のモデムを持っていますんで、これを使ってもらえませんか」

そう来たか。という対応だった。別のフロアでこのプロバイダを使っている住民のことを話すと「あ、近くにモデムを持っている作業員がいたので、その方にもお届けする手はずになってます」と言った。

どうやらこの地域で僕の仕事場があるマンションだけに告知と配送のミスがあったらしい。プロバイダ会社は最後までその点を認めなかったけれど、事実関係はそう言うことだろう。

まぁけっきょく、その新しいモデムをつないで17時半頃に通信は復旧。古いモデムを彼に渡しながら「設定で不明な点があったのでテクニカルサポートへ連絡をするように伝えてほしい」と言って作業に戻り、〆切は間に合った。

画稿ファイルの送信を終える頃、サポート担当の男性からかかってきた電話に不明点をたずねて解決し、最後に「さっき怒鳴り散らした女の子に謝っておいてね」と言って電話を切った。切った後で「しまった」と思った。これでは僕が無闇に怒ったことになってしまうではないか。「でもあの対応はないよね」と付け加えればよかった、と思ったのだ。

ちょっと悔しかったな。それにしてもどうしてあの女の子は現場の人に「新しいモデム、持ってませんか?」と聞けなかったんだろう? 不思議でならない。昔のきちんとした会社員だったら自分で持って行く、くらいのことだってあったような気もする。

日本の「会社」が劣化しているように感じることが多いのはこの辺りなんだよな、とか知ったようなことを言ってこれで一件落着とする次第。
 

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てなわけで今回のレシピは各所でご希望の多かった「湯葉のグラタン」。乾燥湯葉でも生湯葉でもどちらでもおいしくできます。高いのがちょっと難だけど、某所からたくさんいただいたので贅沢に使いました。えへへ。

 

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しかし今回の事件も「間が悪い」と言えば「間が悪い」。〆切もなくて丸一日外出、なんて日もあるんだから、そういう日だったら後から気がついて「ふうん、そうだったんだ」ですんでたはずなのに、よりにもよってそれほど多くもない「〆切」の日にあたるなんて。実に間の悪い話で応対に出た女の子の不運を思うと1ミクロンくらいは心が痛む。

でもまぁその「通信機器交換」のおかげでたしかに通信の速度は上がりました。だいたいにおいて「サービス」でやってくれたんだから、それはありがたいことなんだけど、肝心の交換業務に不備があったのはいただけない。こういうのを「仏作って……」なんて言うんだな、と後ろ足で砂をかけてまた次回。

次回は2月17日更新の予定です。

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