はいコチラ、酔っぱライ部

年賀状の行く末は

2015 / 03 / 31

仕事場の内装工事が終わった。詳しい事情は別のところで書いたので略すけれど、工事にともなっていったん仕事場にある荷物は倉庫に預かってもらい、仕事道具だけを自宅に移して10日ほどの間、自宅で仕事をしていた。

先々週ようやく工事が終わり、自宅の仕事道具と保管されていた荷物が両方いっぺんに仕事場に戻ってきた。それらをまた以前あったとおりの場所におさめようとするのだが、どういうわけかおさまらない。やがて3週間がたとうとするのに床の上に本やCD、印刷物や書類などの雑多なものがぶちまけられたままで、落ち着かないことこの上ない。

仕事をしながらということもあるし、「ついでに」という気持ちでひとつひとつの要・不要を吟味しているのでしかたがないんだけど、さすがにそろそろ決着をつけなければ、と切迫感すら覚えるようになってきた。

そんな作業の中、納戸(という名前のバス・ルーム)で大きな段ボール箱二つが発掘された。開けてみるとなんと中には約20年分の郵便物が入っている。90%以上は「年賀状」で、その数推定およそ8000枚あまり。今回はその「古年賀状」の処遇についてのお話です。

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作ったその日も翌日も美味、今回は「豚タン大根」です

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枚数は、自分で毎年発送している400あまりという枚数から推定した400×20で8000枚見当。これが重い。紙ってこんなに重いのね、と再確認しつつ、「どうしたものか」と考えあぐねたが、スペースの都合もあることでやはり「処分しよう」と決心した。

しかし処分するにも作法がある。いわゆる「個人情報」がすべてのハガキに印刷されているのでそうポイポイと捨てるわけにいかないのだ。検索して調べたり友人に聞いたりしてみると、みなさん年賀状の処分方法には困っているようで同様に、「どうしたものか」と悩む声が多かった。

友達の一人が「探したり持って行ったりされないように少しずつ生ゴミと一緒に出している」と言うのを聞いて「それはいい考え」と思ったものの、いかんせん仕事場では炊事をしないので生ゴミがない。

いっそ「紙袋に入れて外から見えないように捨てる」方法も考えたが、収集車に積まれるまでの間になにが起こるかわからないのが不安だし、だいいち無責任である。ここはやはり手間はかかるけれど1枚1枚シュレッダーにかけてバラバラに断裁して処分することにした。

ところが始めてこれがみるとなかなか面白い。ある人は毎年年賀状に「寿限無」(寿かぎりなし、という意味でしょうね)と書いているし、またある人は必ず同じモチーフの絵を手法を変えて描くようにしている。それと気がついている年賀状ももちろんあるけれど、こうしてみて初めてその事実を知る、ということが案外多かったし、なによりそれぞれの人についての個人的な思いが蘇ったりして感慨深い。

1枚1枚見て読んで、素適なデザインやイラスト、思い出の残る「これは」というものを残してシュレッダーに入れていく、その選別作業に趣を覚えたのだ。

現在とても親しくしている人のファースト・コンタクトの賀状。20年前には交流があったけれど今はもう会うことがなくなってしまった人からのハガキ。当時は勢いがあったけれど今はもう名前を聞くことのない会社や雑誌編集部からの印刷物。

「お元気ですか」、「ご無沙汰してます」、という文面がとても多いし、決まって「今年こそ呑みましょう」と書いている人もいる。けっきょく「年賀状だけのつきあいのなんと多いことか」と感じてしまうけれど、こうして「相変わらず暮らしているよ」と伝え合うこともまたそれはそれで大切なことだよなぁ、とも思えてくる。

中には「結婚式」の写真年賀状を最後に賀状が来なくなった人、毎年「家族写真」を年賀状に使っていたのにある年から家族写真ではなく犬や猫の写真に変わってしまった人、なんてのもあって、どういう事情があったか知る術もないけれど、さまざまな憶測が頭に浮かんで止まらない。

しかしなにより心が動いたのは僕らの住む世界からいなくなってしまった人からの短信が書かれた年賀状や手紙だ。記憶が思い起こされて時に考え込み、時にしみじみ読んではあるものは残し、あるものは断裁した。この「その人から受け取った最後の1枚」をシュレッダーに入れる作業が「もしかするとこれが本当の別れなのではないか」と思えてくるほどだったのだ。

人が「この世界から消えること」が本当の別れではない、「本当の別れとはその人についての記憶がこの宇宙から消えることだ」という話を聞いたことがある。そんな話も思い出されて、時間はかかるけれど、ある意味「過去を整理整頓する」という行為として面白い作業だったのである。

考えてみると僕が今持っているもので「とっておきたい」、「持っていたい」と思っている品物で「僕以外の人にも必要、あるいは有用なもの」というのはそれほどないのかもしれない。

人が自分で持っていたいもの、というのは「自分が自分であることを証明する」、あるいは「自分が自分であることを確認する」ために必要なものなのではないか。床に積まれた雑貨の中でシュレッダーを前にそんなことまで考えて、今「処分」は道半ばであります。
 

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ところで年賀状の種類。

もっとも多いのがもちろん官製ハガキのお年玉付き年賀状でこれは断裁しやすいからいいんだけれど、いちばん困るのが「写真」をこのお年玉付き年賀状に貼り付けたタイプのブ厚いヤツでこれがシュレッダーに入らない。

「家族写真」を使っているケースが多いから、ものすごくヒマならその人の年賀状を年代順に並べて「子供の成長」ばかりでなく「本人の髪の量や色」、「皺の数」など「経年変化」を楽しむ、という遊び方もあるかもしれないが、さすがにその時間はない。手でちぎってシュレッダーに入れる、という方法で対応しました。僕の周りではあまり評判よくないんだけど「家族写真年賀状」多いんですよね。どうしてだろう?

そんなことにかまけてちょっと帰りの遅くなった今夜のかんたんレシピは「豚タン大根」。安くてカンタン旨い。ひと晩おいた翌日、冷菜としていただいてもなかなかです。豚タンスライスを見つけたらぜひどうぞ。

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しかしなんだかんだ言ってももう今年も4月、一年の4分の1が終わろうとしているわけで、もう半年も経てばまたぞろ「年賀状」という声が聞こえる季節。皆様どうぞよいお年をお迎えください、と書いてまた次回。次回は4月14日更新の予定です。

【Panja MEMO】
●ところで前回PRさせていただいた妻の新会社「富士商会」が、今週末「お披露目Part2」として高円寺「ギャラリー2軒目」で展示会を開催します。ご用とお急ぎでない方はぜひどうぞ。今回はアタクシも「夜の部」に参戦予定です。高円寺、いい居酒屋さんがたくさんあるから楽しみっす(笑)。

d20150331_pic3.jpg d20150331_pic4.jpg ●私、あの「まぐまぐ」でメールマガジンを発行しております。
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