ikkieの音楽総研

第76回 ikkieのロック用語解説編 そもそも「HR/HM」って?〜その2〜

2013 / 04 / 25

音楽総研、前回に引き続いてikkieによるロック用語の解説編として「HR/HM」につきまして。HR/HMが変化していく過程を今回は追ってみましょう。


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BON JOVI
ikkie▲ヘヴィメタルもハードロックとの境目の辺りになると……、バンドによっては、この曲はハードロックだけど、この曲はけっこうメタリックだよね、なんていう言い方もするんですよ。だから、その真ん中辺にいるバンドとかがどっちなのか、っていうのは、人によって解釈が違う。またこれね、HR/HMとなってますけど、HM/HRって書く人もいるし……(笑)。
松本●はいはい。“セ・パ交流戦”じゃなくて、“パ・セ交流戦”みたいな。
ikkie▲そうそう(笑)。その人がどっち好きだ、みたいなところもあるんですよね。
松本●自意識も含めて。
ikkie▲まさにそう。で、また端のほうに行ったら行ったで、例えば松本さんが気に入ったBON JOVIなんかは、ハードロックバンドとしてスタートしたけども、今となっては(BON JOVIを)ハードロックとは呼ばない人もいるんですよね。まあ、だいぶ音楽性も変わった、ってのもあるけど。HR/HMってどこかマニアックなものだから、売れちゃうと……。
松本●「あいつ、俺が最初に目付けたのに」みたいな。
ikkie▲それもあります。でも、ファンだけじゃなくて、バンド自身が俺達をもうジャンルでくくらないでほしい、みたいなことを言ったりもするんですよね。卒業したがるというか、ヘヴィメタルって呼ばれるのを嫌う人もいるし。あ、BON JOVIじゃないですよ(笑)。
松本●超越したと言ったらその人たちに思いを入れすぎてるのかもしれないけど、ある意味やってる人たちの間ではそんなことを超えて、ジャンルで分けるとどっちでもねーんだよ、というふうに言いたくなる、と。
ikkie▲そうそう。そんな感じになるんですよね。それに、マニアックなシーンにいつまでもカテゴライズされたくない、という気持ちもあるかもしれない。で、音もだんだんと一般的なものに変わっていくと。LED ZEPPELINなんかもそうで、最初のうちはハードロックと呼んでいい音楽だったけど、後半はそうとは言い切れないぐらい幅広い音楽をやっている。俺らはハードロックの凄いバンドだと認識しているけども、たぶん、一般的にはハードロックというよりも、単にロックだ、っていうふうに認識してる人が多いんじゃないかな。まあほんとに曖昧なんですけど、俺らみたいなハードロックファンは、ハードロックの一派だと思いたいんですよ(笑)。BON JOVIもね。
blacksabbath_w.jpg
Black SABBATH
松本●じゃあちょっと話しを戻しますけど、今聞いてひとつ思ったのは、ハードロックのハードというのは、音がデカいっていうような……
ikkie▲デカい……うーん?
松本●激しい?
ikkie▲そうですね、激しい、ですね。乱暴に言っちゃうと、うるせえ曲だな、っていうのがハードロック。でね、ラジオとかをいじったときに経験あると思うんですけど、ボリュームを上げるとスピーカーが……音が割れたりするじゃないですか。それと同じ原理で、(ロックの象徴とも言える)ギターのギュワーンっていう音は、アンプのボリュームを上げることによって、音が歪んだ(ひずんだ)ものなんですよ。歪んだ音が出て、これカッコいいんじゃない? となったんですよね。そこからハードロックが生まれたと言ってもいいかもしれない。
ベンチャーズとかのギターの音を想像してほしいんですけど、ペンペンの音じゃないですか。あれじゃあハードロックは生まれない(笑)。それが、ビートルズだったり、ローリング・ストーンズだったりの、あの辺のバンドが出てきた時代に、どんどん、どんどん音が歪んでいって。で、ちょっと話しがそれちゃうけど、この歪んだ音がいいとなって、その音を出すために機材も進化して……、今は、キレイな歪みが出たりするようになってきてるんですよ(笑)。
松本●なんか矛盾してますね。
ikkie▲うん、クリアーな歪みとかね、もう言葉がおかしい(笑)。
松本●“清純派AV女優”みたいな(笑)。
ikkie▲ははは! で、歪んだ音をディストーション・サウンドなんて言ったりするんですけど、そのサウンドを出すには、デカい音にしないとダメだったんですよ、昔は。つまり、ハードロックは音がデカくないと演奏出来なかったし、音がデカかったからこそ誕生したんです。今は小さい物でも出来るんですけど、昔は……、60年代70年代っていうのは、“フルテン”とかよく言いますけど、アンプのツマミを全部10にしてドカーンと大音量でやらないと、その音が出なかったんですよね。
松本●ははあ、技術が進化して、簡単に出来るようになったと。じゃあ、そのハードロックであるとかそういうジャンルが伸びてきたことによって、機器なんかも一緒に進化していったという歴史もあるわけですね。
ikkie▲そうです。小さい音でもハードロックが出来るようになった(笑)。
松本●ヘヴィメタル、メタルに戻りますが、さっきも説明してもらいましたけど……(ikkie作の用語リストを眺めながら)いくつかメタルというワードが入ってますが、我々はここがまずわからない。先ほど先鋭化っておっしゃってましたけども、音の先鋭化というのはいったいどういうことなのか? 僕なんかのレベルで知ってた音楽用語のメタルってテープぐらいですよ(笑)。
ikkie▲ははは。そうですよね。クロームとかね。俺も中学校のころ、よく聞かれましたよ。メタルって何? テープか? って(苦笑)。

★ikkie★若い人にはさっぱりわからない会話ですよね……。カセットテープは品質の違いによって、ノーマル、クローム/ハイポジション、メタルと分けられていました。メタルはその中で一番高品質なもの。

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JUDAS PRIEST
松本●まさに同じ疑問を持ってました。先ほどね、先鋭化っておっしゃってて。僕はありがたいことに原稿を読ませていただいてますから、こういうものなのかな、ってなんとなくわかってきましたけど、まだちょっとわからないところがあります。……今、ハードロックのハードというのは、そのまま、激しいという意味だと伺いました。同じようにメタルというのは、噛み砕いて言うとどういうことになりますか?
ikkie▲ヘヴィメタルっていうのは漢字で書くと……、まあ当て字ですけど、“重金属”って書くんですよね。それをちょっとイメージしてほしいんですけど、ハードロックよりも、もっと尖ってるんですよね、単純に。先鋭は尖鋭と書いてもいいかもしれない。
松本●岩(ロック)よりも尖ってる、とか。
ikkie▲うーんと、ハードよりもヘヴィのほうが言葉としては強くて……、そうだなあ、岩(ロック)はゴツゴツしてるけど、金属は(メタル)はキンキンしてる感じ、と言うとわかります?
松本●なんとなくイメージは浮かんできましたが……。
ikkie▲ヘヴィメタルが出てきた地域っていうのが……、BLACKSABBATHの出身地なんですけど、ビートルズの出身地のリヴァプールではなくて、イギリスのバーミンガムっていう、工場がある地域なんですよね。リヴァプールが港町だったのに対して。で、とにかく天気が悪いと。そのどんよりしてる場所に……また、階級があるじゃないですか、イギリスは。そこで、ブルーカラーの人たちが工場で働いて……、どんよりしてるのに合わせて、ハードロックから明るさが消えていくんですよ。
松本●はいはい(笑)。

Black SABBATH 『Children Of The Grave』

ikkie▲音楽ってほんとに面白いんだけど、その時代時代の……、パンクとかが特にそうですけど、時代の空気をすごく反映していてね。バーミンガムという、どんよりして天気もいつも悪い、そんな場所からBLACK SABBATHやJUDAS PRIEST というバンドが出てきて、ハードロックからブルーズやフォークとかの……、ちょっとは残っていた牧歌的な部分がなくなったと。ヘヴィメタルは、ハードロックが好きだった人たちの中で、もっとうるさくしたい、もっと強そうで、怖そうに聴こえるようにやってやろうとかね(笑)、子供っぽい感じかもしれないですけど、おそらくそういう……もっと暴力的な、もっと叫びたいっていう初期衝動があったと思うんです。それがどんどん進んでいって……、結局うまく言えないんですけど(笑)、俺らからしたら、まあ、(HRとHMには)明らかに違いはあるんですよね。BON JOVIは絶対ヘヴィメタルじゃないんですよ。

JUDAS PRIEST 『The Hellion/Electric Eye』

松本●理解まではいかないですけど、絵はすごく浮かびました。時代時代とおっしゃいましたけど、まさにその、工業地帯で天気が悪くて、重金属と訳されると言われたら、なんとなくイメージは出てきますよね(笑)。で、その人たちが鬱屈した、とまでは言いませんけど、そういうものを晴らしていく中で、そこでまさに先鋭化して……って絵は浮かびましたね。
ikkie▲日本だとね、それこそ『炭坑節』だとか、そんな話だったんでしょうけど、でも、そこではないんですよね。若い人たちが作ったっていうのもあるし。「新しいことをやろう……、ファッションとか雰囲気だけじゃなくて、音楽的にも今までと違うものをやってやろうって気持ちは、絶対あったはずなんですよね。だから、もっとエクストリームなことをやりたかったんだろうと思うんですよ。ハードロックよりももっと激しくて、もっとこう、エクストリームな……、極端なことをやりたかったんだと思います。
松本●まあ、(若い人は)やりたがるもんですけどね。それはやっぱり日本でもそうでしょうし。炭坑節を作ったのが、例えば町会長だの、偉い重鎮とかが作ったからああいうふうになったわけで、ひょっとしたら違う風土で違う人が作ったらヘヴィメタルになるのかもわからない。また安易にね"バーミンガムの炭坑節"だなんて言い方をするのが日本人の悪いお家芸なので(笑)。キャッチフレーズを付けたがるというか(笑)。
ikkie▲それ言うとたぶんね、俺ヘヴィメタルファンにタコ殴りにされると思うんですけどね(笑)。

BON JOVI 『Because We Can』
この曲だけ聴くとハードロックバンドだとは思わないかも?

松本●まず、イギリスにはビートルズがいた。で、後続のバンドは、さらに音を大きく、激しくしてみようと。そして、それがある街に移ったら、そこの土地のカラーが出て、やがてヘヴィメタルになり、それがザーッと広がっていったという考え方でいいんですかね? やっとメタルの謎が解けましたよ!
ikkie▲それはよかった(笑)。

さて、今回はここまで。前回と合わせてなんとなくHR/HMってどんなものかおわかりいただけんじゃないでしょうか。次回はさらに深く、HR/HMの中での細分化されたジャンルについて説明しますよー。


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