インタビュー/記者会見

バイオレンス・スプラッター!
映画『蠱毒 ミートボールマシン』
映画初主演の田中要次に独占インタビュー!!
「血を浴びながらセリフを話すのは難しい!」

kodoku170809_0001.jpg 孤独でしがない中年男が、最強の戦士ネクロボーグと化し戦いの渦に飛び込んでゆく!05年に公開され、国内外で高い評価を獲得したバイオレンス・スプラッター『MEATBALL MACHINE −ミートボールマシン−』。謎の生物に操られたヒトとマシンの複合体、ネクロボーグが死闘を演じる世界観を受け継ぎながら、より過激に生まれ変わったバイオレンス・スプラッターが『蠱毒 ミートボールマシン』だ。

監督は、オリジナル版『ミートボール』で特撮・造型を手がけた西村喜廣。幅広く活躍している特殊メイク、造型クリエーターであると同時に、監督としても『東京残酷警察』(08)や『虎影』(15)など異色エンタメ作を次々に発表。各国のファンタ系映画祭を通じ、ワールドワイドに高い人気と知名度を誇る異才。『蠱毒 ミートボールマシン』も、ワールドプレミア上映だったサウス・バイ・サウスウエスト2017を皮切りに、ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭をはじめ、多くの国際映画祭での上映が決定している。

主人公には、個性派俳優として映画、ドラマ、CMで活躍中の田中要次。映画初主演となる本作では、派手な特殊メイクで全身を覆われながら、激しいアクションをほぼスタントなしで熱演した。可憐なヒロイン・カヲル役には、グラビアアイドルの百合沙。映画初 出演とは思えないナチュラルな演技だけでなく、映像では初脱ぎとなる、みごとな脱ぎっぷりにも注目したい。その他、しいなえいひ、鳥居みゆき、川瀬陽太、村杉蝉之介、三元雅芸ほか個性派メンバーが集結。斎藤工が謎の宇宙人で出演。 今回は、映画初主演の田中要次に映画『蠱毒 ミートボールマシン』について話を聞いた。

kodoku170809_002.jpg 尾崎:今回、映画初主演とのことですが、オファーを受けていかがでしたか?
田中:前々作の1999年に自主制作された山本淳一監督の『ミートボールマシン オリジン』を観ていました。僕らは『鉄男(塚本晋也監督)』世代ということで、そういったサイバーパンク的なものへの憧れもあって、こういった作品に出会うのは久し振りだというワクワク感がありました。今回のようなバイオレンス・スプラッターという作品に出演するのは初めてですが、『キル・ビル(クエンティン・タランティーノ監督)』や『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ(三池崇史監督)』といったアクション映画に出演した経験を生かして撮影に望みました。

kodoku170809_003.jpg 尾崎:バイオレンス・スプラッター映画で、血しぶきの量が凄い作品ですが、撮影時のエピソードは?
田中:墨田区のガレージを借りての撮影でした。2階で撮影して、1階は楽屋として使用していました。2階で撮影中に1階の天井から血のりがポタポタと雨漏りを始めて「ヤバイ!衣装が汚れてしまうっ!!」と、パニックになったことがありました。すぐに衣装を移動させて、天井を養生しました。その光景は動画で撮影しています。どこかにアップしたいですね(笑)。

kodoku170809_004.jpg 尾崎:演技する上ではいかがでしたか?
田中:血を浴びながらセリフを話すのは難しいですね(笑)。喉にも目にも入ってきますから。足下も滑って危なかったです。この様なアクション映画は、郊外の資材置き場や廃墟で撮影することが多いですけど、今回は墨田区の歓楽街で撮影をしました。路上をネクロボーグの衣装を着けたまま歩いていたら、お店の人に「そんな格好で歩くんじゃないよ!お客が来ないよ!」って怒られました(笑)。

kodoku170809_005.jpg 尾崎:アクションシーンも満載でした。今回のアクション監督は現在20歳の坂口茉琴さんでしたがアクションシーンはいかがでしたか?
田中:車と融合した三元雅芸さんのネクロボーグの後ろから振り飛ばされ、「天国」というバーの中に入ってしまうシーンがありました。最初の撮影では飛ばされるシーンは床に転がるだけでしたが、アクション監督の坂口さんに「もうちょっと派手に演技しますよ。2階まで飛ばされるシーンを撮りましょう」と提案しました。彼女としては、怪我をさせたくないしコスチュームも傷んでしまうと思ったんでしょうね。でも、派手にやりたかったので、一発勝負で窓を突き破ってお店に入るシーンを作ってもらいました。僕の突然の提案に事前の準備もなく現場は大変でした(笑)。

kodoku170804_003.jpg 尾崎:ネクロボーグのデザインも魅力的でした。CG全盛の中、こういったアナログの造形物はいかがでしたか?
田中:前回よりもネクロボーグのコスチュームは軽いと言われましたが、けっこう重かったです。着ていると重さで肩の造形物が落ちて来るんです。警察隊の人たちと一列に並んで歩く格好いいシーンがあるんですけど、良く見ると肩の造形物が落ちてます(笑)。本来はもっと上にありました。デザインも複雑で片手は刀になっているので動きずらかったです。腕に刀が付いているので良く見ると普通の刀よりもかなり短いです(笑)。ツッコミどころが満載の作品ですが、その部分が逆に愛おしいですね(笑)。それから、血しぶきを浴びるシーンが多く、コスチュームに血のりが染み込んでいて、着るだけで体が真っ赤になりました。爪と髪の毛がピンク色になってました。爪は洗っても落ちないので次の仕事の前に削りました(笑)。コスチュームはスペアがなく洗う時間もなかったので、いつも内側はしっとりしていて、正直着るのはイヤでした(笑)。

kodoku170809_006.jpg 尾崎:西村喜廣監督についてお伺いします。古くからのお知り合いと……。
田中:2010年のNHK・Eテレ『天才てれびくん MAX』内のジャガイモ男爵の造形でお世話になりました。その後、フェイスブックで繋がっていました。フェイスブックがなかったら、今回のオファーは、なかったかもです(笑)。監督の喋り方が印象的でみんなで監督の真似をしながら和気あいあいと撮影をしました。時間が短く撮影自体はとても大変だったのに(笑)。
西村監督の作品は、アクションでも今回のバイオレンス・スプラッターでも、コメディ要素が満載なのにコメディ映画とは言わないですよね?僕は、コメディ映画だと思います(笑)。
尾崎:バイオレンス・スプラッター作品はコメディ要素の入った作品が多いですね。
田中:笑わせることで中和させる感じなんでしょうね。ずっとグロいままだと気持ち悪くなる人も出てきそうだから(笑)。

kodoku170809_007.jpg 尾崎:共演者について伺いたいと思います。可憐なヒロイン・カヲル役を演じられた、グラビアアイドルの百合沙さんは、今回が映画初出演とのことですが印象は?また、歳の差の女性に恋をする役についてはいかがでしたか?
田中:僕も50歳を過ぎてしまったので「そんなに若い方と恋をしてもいいんでしょうか?」といった感じでした(笑)。百合沙さんは、大変なシーンも多かったですが根性のある女優さんだなって思いました。

kodoku170809_008.jpg 尾崎:鳥居みゆきさんの印象はいかがでしたか?
田中:最初に「天国」というバーで優しく話しかけられて、その後は……。
尾崎:西村監督の前作品『虎影』にも出演されていました。
田中:撮影中に、だんだん百合沙さんと鳥居さんは似たタイプの顔なんだなって思えてきて、これは監督の好みの顔なのかな?って(笑)。目の感じとか……。

kodoku170809_009.jpg 尾崎:川瀬陽太さんとは、古くからのお知り合いと伺いました。
田中:川瀬さんとは、ピンク映画時代からの仲です。今回、久し振りに共演しました。昔は僕に対して“S”だったんですけど、今回は以外と優しかったです(笑)。
尾崎:なにか、お話されたことは?
田中:50歳を過ぎたおじさんが「あたたたた!!」って、なにやってるんだろうね?という話はしました(笑)。パンチのシーンは昔のヒローものですよね。もう日本の伝統芸能になった感じです。

kodoku170809_010.jpg 尾崎:海外の映画祭に参加されていますが、反響はいかがでしたか?西村監督はドイツでサイン攻めに合い嬉しい悲鳴を上げていたと伺いましたが……。
田中:僕は、ブルッセルの映画祭に参加しました。深夜0時からの開催でした。みなさんその時間はすでにお酒が入った状態で、映画館というよりライブハウスといった感じになっていました。みなさん歓声をあげながら観ていました。西村監督に「海外の映画祭のノリを観て、映画祭用に作品を作っていませんか?」って尋ねたことがあります。タイトルが最後にもう一度出て来ただけでギャラリーが「イエーー!!」ってなるんです(笑)。普通、タイトルは2回も出てきませんよね。僕が電話に出るシーンでは、みんなで「もしもし」って。後、笑いどころが国によって違いますね。監督は僕の“ハゲ”ネタを楽しんでいるんですけど、ヨーロッパではまったくウケないんです。ヨーロッパでは、僕のような頭の人が大半だからだと思います(笑)。韓国では、海苔を持った人が寄生されて、普通はそれが大きな武器になりまずが、なぜか海苔のまま。そのシーンは大ウケでした。やっぱり韓国海苔の国だから?(笑)。

kodoku170809_011.jpg 田中:テッパンだったネタは、僕に対しての「お兄さんブルース・ウィリスみたい」というセリフを受けてアドリブで返した「いや、最近はジェイソン・ステイサムって言われているんですよ」と答えるシーン。間違いなく笑ってくれます(笑)。韓国ではオールナイトで上映されていて、その中で3本目に。計算すると3時半からの上映でした。これはお客さんはいないよねって思いながらも、12時半に会場を覗いてみたら以外とお客さんが入っていました。映画の上映が終わると1作品ごと拍手があり、愛があるなって感じました。僕たちの作品が終わった時間が朝の5時過ぎだったんですけど、たくさん拍手をいただきました。我が子を見守るような感じでした。最後にはお客さんとのサイン会になりましたよ。

kodoku170809_012.jpg 尾崎:最後にメッセージをお願いします。
田中:近年の映画の中で貴重なタイプの作品になっていると思います。このぶっ飛んだ作品を是非観ていただきたいです。こんな映画がまだ日本にあるんだぜーーっ!!


インタビュー撮影:尾崎康元
ヘアメイク:村中サチエ
衣装協力:
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kodoku170809_013.jpg ■ストーリー
取り立て屋の野田勇次(田中要次)は、優しい性格が災いし社長から役立たずの烙印を押された中年男。彼の唯一の楽しみは、落語のテープを聴くことと、行きつけの古本屋に勤める三田カヲル(百合沙)に会うことだった。
そんなある日、勇次らの街はとつぜん巨大なフラスコに包まれて外の世界と遮断されてしまう。そしてフラスコの中の人々は、謎の寄生生物に操られた戦闘マシン・ネクロボーグになり町中で死闘を繰り広げていった。ネクロボーグにされながらも自らの意志を保った勇次は、行方不明のカヲルを探し街中を駆け抜ける。
果たして勇次はカヲルを救うことができるのか?
そしてフラスコは誰が何の目的で作ったのか?
やがて驚愕の真実が明らかになってゆく――。


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出演:
田中要次 百合沙 鳥居みゆき 川瀬陽太 村杉蝉之介 三元雅芸 しいなえいひ 斎藤工
監督:西村喜廣
脚本:佐藤佐吉 西村喜廣
製作:坂本敏明
プロデューサー:山口幸彦 楠智晴
撮影:鈴木啓造
照明:太田博
美術:佐々木記貴
録音:西條博介
衣裳:中村絢
ヘアメイク:征矢杏子
VFXスーパーバイザー:鹿角剛
特殊造型:下畑和秀 奥山友太
アクション監督:坂口茉琴
音楽:中川孝
編集:西村喜廣
キャスティング:安生泰子
助監督:片島章三
制作担当:真山俊作
配給:アークエンタテインメント
製作:キングレコード
制作プロダクション:アークエンタテインメント
公開:8月19日(土)より 新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー

© 2017キングレコード
 




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エンタメ インタビュー/記者会見   記:  2017 / 08 / 09

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