買ってらっしゃいませ、お客サマー

暑い昼間にアツすぎる祭りは続くーー続・アンデスのサンタ・ロサ祭り

ペルー・コンガス村

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遥か高地から運んできた氷河の
かき氷は一杯1ソル(33円)
<前回はこちら>
激しすぎる花火を堪能した夜……一夜明けても祭りはまだまだ続く。旅人の運命はいかに!?


夜はとても冷え込むアンデスだが、日中の日差しの強さは強烈で、帽子やサングラスがないと目眩を起こしそうになる。あまりの暑さに、私は氷河を使ったかき氷を食べて涼を取ることにした。甘いシロップのかかったかき氷は、子供のころ食べた縁日のそれと同じ味がした。

8月30日は、サンタ・ロサとキリストの御輿行列の日だ。教会から運び出された御輿と共に、カピタン(隊長)とブラスバンドが村を行進する。村の守護聖人への想いからか、昨夜は飲んだくれていた村人も、さすがに神妙な面持ちで御輿を担いでいた。

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牛をさばく女性たち。
友人宅に戻ってみると、中庭で牛の解体作業をしていた。どうやらつい先ほど屠殺が行われたようだ。「一突きで殺せなかったから、可哀そうだったのよ」という友人の言葉に、思わず念仏を唱えてしまう。

しかし他の命をいただいて生きていくのが人の営みというもの。パックの切身肉しか知らない我々より、直接生き物の生死に触れる機会の多いアンデスの人々のほうが、このことをよりよく理解しているのかもしれない。

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牛肉のスープと
アドボ・デ・チャンチョ(豚肉料理)
豚は、この日にさばかれたもの
村のあちこちからブラスバンドの音楽が聞こえ、カピタンたちが互いの家を訪ねて、酒を振る舞ったり踊ったりしている。私たちも今朝まで生きていた牛の肉のスープをありがたくいただきながら、飲んだり踊ったりして過ごした。

しかしいくら高地に慣れているとはいえ、朝から晩まで飲んで踊る村人の、この祭りに賭ける意気込みたるや、本当に頭が下がる。バンドの演奏がちょっとでも止まると「バンダ!」と叫んで演奏を促し、バンドのメンバーも自分たちを鼓舞するかのようにビールを飲んで、演奏を再開するのだ。

31日の朝は、戸締りをしっかりしてとにかく息をひそめていた。午前4時。バンドのリハーサルとドアを叩く音がする。これから各家を回って寝ている人々を無理やり連れ出し、また踊り狂うのだそうだ。皆ビールやチンギリート(サトウキビ酒)でぐでんぐでんに酔っ払っているので、相当タチが悪い。

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注目と尊敬を一身に集めるカピタン
トランペットやドラムの音が幾重にも重なり合い、人々の声と熱気がベッドの中にまで伝わってくる。怖い、怖い。とにかく早く去ってほしい……。

正午を回ると、さすがに村は落ち着きを取り戻した。広場や道端で転がるように眠っている人もいる。そんな中でもカピタンたちは正装して常に忙しく役目をこなしているのだから、お見事としか言いようがない。

午後からはカバージョ(騎馬による行進)だ。カピタンが馬に乗り、人々が紐を結んだ旗を持って行進する。この行列中にばら撒かれる飴を求めて、子供たちによる争奪戦が始まった。人に押されようが、馬に踏まれそうになろうが、子供たちはもう必死。ばら撒くほうもわざと人ごみに投げたりして、大騒ぎになっていた。

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美しく飾られたサンタ・ロサの像
バンドのリズム、馬の嘶き、人々の歌声、子供たちの歓声。村人の笑顔は最高だ。1年に一度この高揚感が味わえるがゆえに、日ごろの質素で慎ましいアンデスの暮らしに耐えることができるのかもしれない。


今回は9月1日の最終日まで見届けることはできなかったが、友人夫婦のお陰でとにかく内容の濃い祭りを体感することができた。

再びこの祭りに来られたなら、今度はカメラを持たずに参加してみようか。
アンデスの村でビール片手に踊りまくる日本人、なんてなかなか愉快な話ではないか。











特集 買ってらっしゃいませ、お客サマー   記:  2009 / 09 / 24

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