あきることなく買い物三昧

ヴェネツィアのアックア・アルタ

イタリア・ヴェネツィア

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おなじみヴェネツィアの運河
世界の観光都市であり、街全体が世界遺産であるヴェネツィア。運河が横縦するこの街の景観は、まさしく世界で唯一。年間を通し、多くの人々がここを訪れ、そして魅了される。その特異な街の構造は、車両が通らず複雑に入り組む運河、そしてそこを往来する船、無数の細い路地と橋、華やかな時代を髣髴させる建造物の数々、さらにはそこに住む人々の生活等が決して広大ではない区域内に混在・凝縮している。これらの形成にはアドリア海とその浅瀬部分のラグーナ(潟)上に建てられた街、という立地柄に所以しているもの。そして、水の上という非常に稀な立地条件を背景に、遡る発祥の歴史から現代まで、この町と水とは切っても切り離すことは決して不可能、それは深い関わりを持ち続けながら存在している。

晩秋からのこの季節の同地では、町が浸水したような状態、“アックア・アルタ”という現象が頻繁に起こる。言葉の意味としてはアックア(=水)、アルタ(=高い)であるが、これは、ヴェネツィアとその周辺の海岸地区の水位が上がることを指す。

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見事に沈んでしまいました
起こる原因としては、潮の満ち引き、低気圧による強風、及び“シロッコ”と呼ばれるアフリカ大陸から吹く南風により、アドリア海の海面が押し上げられることによる。シロッコとは“シリアからの”という意味もあり、暖風なためアックア・アルタの日は比較的冬にしては生暖かさを感じる気温となるのも特徴だ。
さらには、ラグーナに流れ込む川の流域で大雨が降ったりする影響を受けることもある。
それに加えて、ヴェネツィア自体の海抜の低さに伴い、地球温暖化の影響で海面が高くなっていることも一要因としてあげられるため、同現象は、天文学的、気象学的、地球環境問題など、様々な因果関係が絡んでいる。
故にアックア・アルタの状況は、年を追うごとに頻度を増し、水深の度合いも高くなっていると言われている。

さて、町の様子は……というと、ヴェネツィアのシンボル、観光の中心地として知られているのがサンマルコ広場。ラグーナに面したヴェネツィア随一の大きさを誇る広場であるが、ヴェネツィアではもっとも海抜が低く、アックア・アルタとなるとまず真っ先に浸水する場所でもある。海抜は80〜85cmのこの地点では、潮位が80cmに達すると水がつき始め、100cmとなると広場全体はまるで湖と化す。

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パッサレッレを渡る人々
対策としては、水が上がる場所には、事前にパッサレッレと呼ばれる足つきの板が渡され、人々はその上を歩き、水が浸った場所を歩くことのないような配慮がされる。
また、通りに面した一階部分にある商店や事務所などでは、水に対する対策として、水止め目的のために入口に金属の板をさしこむようになっている。完全ではなくとも、かなりの被害を食い止めることができる。
しかしながら年に何度か起きる記録的な潮位の日には、こういった対策も自然の力には抵抗できず、パッサレッレの上まで水が上がると、逆にこれらが流れだすこともあり危険ということで撤去されたり、商店内にある低い位置の商品はとりあえず高い位置に移動する必要がある。

こんなことがけっこうな頻度で起こるのがヴェネツィアの冬。人々は水が上がっても、できる限りの日常活動は通常通りに続けるように生活している。そして、浸水した場合には速やかに水を除く作業が行なわれる。生活のスタイルが違うとはいえ、東京でこんなことが一度でも起こったら、大、大パニックになることだろう。

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店頭のディスプレイも上方向へ
アックア・アルタの日々の状況は気象条件などによりで刻々と変化するため、ヴェネツィア市では1979年以降、潮位を予想、測定する研究所を設け、常に潮位予測を公表している。さらには、住民及び通勤・通学者に向け、携帯メッセージサービスが登録制で設けられており、100cmを超す高潮位予想には、警戒情報が自動送信されている。

前述の通り、海抜の低い場所から水がついてくるので、アックア・アルタの日でも町全体が水に浸かるということにはならないが、潮位が100cmを超える日はやはり要注意。もちろん長靴は必須アイテムとなる。漁師が履くような長靴を売る店頭の光景も、ヴェネツィアならでは、ともいえる。
ちなみに今までの最高記録は1966年11月に起こった潮位194cmというもの。この際にはヴェネツィアの町が100%水没し、もう二度と町は陸地とならないのでは、と心配されたそうだ。

自然の力とは偉大、どんなに水が上がっても、潮の関係で一度最高潮位に達した後は、目にみえるほどにぐんぐんと水がひけていく。午前中に水浸しだった場所もお昼ごろには普通に歩ける、というほど。

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だいぶ水が引いてきた様子
この時期にヴェネツィアを訪れる場合には、アックア・アルタの状況にご注意を。ただ、観光として訪れる場合には、季節のヴェネツィアの風物詩ということでは、遭遇するのは案外ラッキーかもしれない。
そして、水のあがった街を、裸足になって歩きまわる観光客も見かけるが、これはお勧めしない。なぜなら、これらは雨水ではなく、運河からの水(川のように流れのよいものではない)、海水、下水すべてが一緒になっているものだから。おまけにヴェネツィアには犬や猫、そして鳩がたくさんいることをお忘れなきように……。











特集 あきることなく買い物三昧   記:  2011 / 01 / 14

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