ikkieの音楽総研

第361回 洋楽編 FIREHOUSE ―― 追悼C.J.スネア 天性の歌声、実力派シンガー逝去

2024 / 04 / 16

またしても悲しいニュースが飛び込んできました。4月5日にFIREHOUSEのシンガー、C.J.スネアが亡くなったとのこと。虫の知らせなのかなんなのか、最近FIREHOUSEをよく聴いていて、やっぱりいいバンドだなあ、なんてことをあらためて思っていたので、すごく驚きました。今のところ死因は伝えられていないものの、結腸ガンを患っていたようです。64歳、まだまだ若い……。

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FIREHOUSEは1990年にデビューしたアメリカのハードロックバンド。デビュー時のメンバーはC.J.スネア(Vo)、ビル・レバティ(G)、ペリー・リチャードソン(B)、マイケル・フォスター(Dr)の4人で、ベースのペリーが2000年に脱退(現在のベーシストはアレン・マッケンジー)した以外はデビュー時のメンバーで現在も活動。FIREHOUSEのデビューにはジョン・ボン・ジョヴィの後押しがあったらしいんだけど(ジョンにデモテープを何度も送っていたとか)、そのBON JOVI同様、メロディアスでキャッチーなサウンドでアメリカ本国はもちろん、ここ日本でもかなり人気がありました。いろんな雑誌の人気投票でブライテストホープに選ばれていたし、本国のアメリカンミュージックアワードでも新人賞を受賞していたはず。

『All She Wrote』
この曲好きだったなあ。あれ、いま聴くとリフがRATTの曲に似てるような......

 


FIREHOUSEがデビューした1990年はHR/HMの人気がピークを迎えようとしていたころで、アメリカのチャートは上位10組のほとんどがHR/HMバンドという、今となっては信じられない状況で、日本でもMTVみたいな番組でよくHR/HMのMVが流れていてね。FIREHOUSEもそういう番組で観たのが最初だったと思うけど......、それより先に雑誌に「BON JOVIの弟分デビュー!」みたいに書いてあったのを見て興味を持ったような気もする。ただ、FIREHOUSEのサウンドはBON JOVIと同系列と言えなくもないキャッチーなハードロックではあったものの、BON JOVIよりもハードな印象で、BON JOVIをもう少しハードにしたバンドをやりたいと思っていた俺には、お手本にしたくなるようなバンドでした。ビルのギターも、ギターキッズ心をくすぐるようなテクニカルかつメロディアスなプレイで、カッコよかったし。ビルはもっと評価されてもいいギタリストだと思うなあ。

『Shake & Tumble』
他にもたくさんいい曲があるけど、ライヴで聴いていちばんカッコよかったのがこの曲でした

 


1990年のデビューアルバム『FireHouse 』からシングルカットされたバラード『Love of a Lifetime』は全米3位(チャートによっては5位とも)と大ヒット、アルバムも200万枚を超えるセールスを記録してダブルプラチナムを獲得。BON JOVIのツアーに抜擢されたり、HR/HMバブルという当時の状況があったにせよ、新人バンドとしては異例の成功だったといっていいと思う。やっぱりいい曲が揃ってたからだよね。大ヒットしたバラードは文句なしの名曲だし、C.J.の透明感のある甘い歌声で歌われるキャッチーなメロディは他のバンドにない魅力だった。そう、C.J.の歌が、FIREHOUSEの最大の魅力だったんだよね......。

FIREHOUSEのライヴは2回観たことがあるんだけど、C.J.の歌がとにかく凄かった。ライヴを観たのは彼らの全盛期だった1990年代ではなく、2000年代に入ってからだったけど、CDと比べてもまったく遜色がないどころか、それ以上の力強い歌声だったから、めちゃくちゃ興奮したよ。歌声そのものが魅力的な上に、ピッチがとんでもなく正確。どこまでも伸びるロングトーンも驚異的でねえ。パフォーマンスもカッコよかったし、日本語が堪能で「お疲れさまでしたー!」なんて言ってみたり、MCでもたくさん楽しませてくれたんだよね。ほんとに魅力的なシンガーだった......。

『Love of a Lifetime』
名バラード! C.J.の歌はほんとにいいよね......

 


もちろん、C.J.だけでなく、ビルやマイケル、アレンのプレイも凄かった。ビルはテクニカルなプレイでもとんでもなくクリアーに弾くし、リズム隊はタイトですごく重い。いまだにそんなことを言うか、と自分でも思ってしまうけど、やっぱり外国人は違うなあ、なんてことを思ったのを覚えています。まあ、人気が下降気味になってしまってからもずっとツアーを続けていたようだし、外国人がどうのと言う前に、ツアーバンドの凄みを肌で感じたのかもしれないんだけど、大きなホールではなく、川崎クラブチッタと赤坂ブリッツというライヴハウスで観たこともあって、なんというか、バンドの生音をそのまま聴いているかのように感じられてね。音の厚みが日本人とは違う、と思ってしまった。コーラスがめちゃくちゃ上手かったのも印象に残っている。

ウドー音楽事務所によると、2020年にデビュー30周年記念ツアーで来日が決まっていたものの、コロナ禍のために流れてしまったという。......マジか! FIREHOUSEはそういう節目に来日が決まるような、根強い人気があるバンドだったんだよね。冒頭に書いたように、このところよく聴いていて、あらためて自分が影響を受けていたことを再確認したりしていたし、また日本に来たら絶対に観に行こう、と思っていたところでした。ほんとに魅力的なシンガーだった。残念です......。


R.I.P. C.J. Snare, My heartfelt condolences to you and your family.




※ikkieのバンド、Antlionのシングルがリリースされました!
ストリーミング&ダウンロードはこちらから
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