ikkieの音楽総研

第231回 ロック映画編 THE DIRT―― 世界で最も悪名高いバンド......THAT'S MÖTLEY FUCKIN' CRÜE! 

2019 / 04 / 02

何年も前から作る、作るとメンバー達が話していながらも、なかなか実現していなかったMÖTLEY CRÜE自叙伝 を元にした映画、『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝 』がついに完成し、ストリーミングサービスのNETFLIXで公開された。『ボヘミアン・ラプソディ』の大ヒットによってQUEENが再評価されたようにはいかないだろう……とは思いつつも、この映画が世界中で話題になれば、MÖTLEY CRÜEが活動を再開するかもしれない、という淡い期待もあったし、なにより映画館の大きなスクリーンでMÖTLEY CRÜEが観たかったから、どうして映画館で上映しないのかという不満も疑問もあったけど、考えてみれば、NETFLIXはインターネットが繋がれば世界中のどこでも観られるわけで、映画館で上映するよりもたくさんの人達が観る可能性もあるのか。まあ、観終わった今となっては、内容が内容だけに、劇場公開は難しかったかも……という感想も持ってしまったんだけどね。

20190402thedirt.jpg 『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』は、4人のメンバーが出会ってMÖTLEY CRÜEを結成し、世界的な成功を収める中での数々の破天荒かつ破滅的なエピソード、友人や家族の死……、そして、バンド崩壊の危機を乗り越えて4人が再集結するところまでが描かれている。マシン・ガン・ケリー トミー・リー )、ダグラス・ブース(ニッキー・シックス)、イワン・リオン(ミック・マーズ )、ダニエル・ウェバー(ヴィンス・ニール )が演じるMÖTLEY CRÜEは、マシン・ガン・ケリーが唯一トミーに似ているかなと思うものの、他の3人はあまり似ていないので、映画が始まってしばらくはあまり楽しめずにいた、というのが正直なところ。ただ、それぞれの仕草(ヴィンスの歩き方がそっくり!)やステージパフォーマンスはよく似ていて、途中からはそれほど気にならなくなったし、ほとんどのファンが満足出来るんじゃないかな。時代ごとに変わるメンバーの髪型やファッションもけっこう忠実で楽しいし。でも、内容はどうだろう? ニッキーは「ファンは夢中だけど、批評家には嫌われている」とTwitterで発言していたけど……、まあ、酷いシーンが多いな、と。

『ザ・ダート:モトリー・クルー自伝』
予告編。このモトリーはちょっとSTEEL PANTHERのメンバーみたいだね。
 


彼らがどれだけ危ないバンドだったのかは、MÖTLEY CRÜEのファンだけではなく、あの時代のHR/HMファンには周知の事実だったわけで、他のバンドなら隠しておきそうなことまでもが赤裸々に描かれている。それ自体はいいと思う。それがMÖTLY CRÜEだからね。でも、露骨な性描写や、ドラッグ摂取のシーンの多さには少々辟易した。これは女性とは一緒に観られないなと思ったし、MÖTLEY CRÜEのファン以外には観てほしくないかも、とも思った。というのも、ファン以外が観ると、彼らがただのジャンキーだと誤解されかねないと思ったんだよね。もちろん、ニッキーの少年時代からの両親との確執や、ミックの重篤な脊椎の病気、ヴィンスの愛娘スカイラーの死なども描かれているけど、そういうシーンよりも、衝撃的なぶん、他の酷いシーンのほうが印象に残る気がする。……そしてなにより、音楽のことがあまり描かれていない。俺がMÖTLEY CRÜEのファンになったのは、彼らの音楽が素晴らしかったからだ。彼らのアウトロー的な魅力も大いにプラスにはなったけど、あくまで彼らの音楽のファンだった。どうやってああいう楽曲が生まれてきたのか……、そんなところがもっと観たかった。ライヴシーンが少ないのも物足りない。

『On With The Show』
1stアルバム収録。ニッキーが自分を捨てた父親と同じ名前だったフランク・フェランナからニッキー・シックスへと改名したシーンに、「フランキーはついこの前の夜に死んだ」と始まるこの曲が使われていて、「おっ!」となりました。ニッキーはこの曲の中でフランキーだった自分を殺して、生まれ変わったんだね。
 


……しかし、MÖTLEY CRÜEの破天荒な言動は、音楽雑誌の記事やドキュメンタリー、彼らそれぞれの自叙伝 なんかで知ってはいたけど、あらためて映像として観ると、よく誰も死ななかったな、と思ってしまう。ドラッグの過剰摂取でニッキーは死にかけているし、ヴィンスが飲酒運転をして起こした交通事故によって、同乗していたHANOI ROCKS のドラマー、ラズルが死亡しているわけだから(ヴィンスは実刑判決を受け服役した)、「わー、モトリーってやっぱり過激!」で済む話じゃない。映画だから誇張されているんじゃないの、と思う人もいるかもしれないけど、描かれているのは自叙伝に載っているエピソードばかりだし、メンバー全員が映画の監修に関わっているから、決して誇張ではないはず……というか、実際には映画よりもっと酷い状態だったんじゃないのか。映画では一瞬の出来事でも、現実は違うわけだし……。

『Live Wire』
この4人が集まって、初めて書いたのがこの曲だったという。俺が初めて聴いたのもこの曲でした。
いちばんパンクで、いちばんロックしていて、いちばんMÖTLEY CRÜEらしい曲。
 


これは『ボヘミアン・ラプソディ』のように泣ける映画じゃない。感動するシーンもない。それどころか、人によっては気分が悪くなるかもしれない。それでも、なぜだか彼らから目が離せない……、それがMÖTLEY CRÜEだ。この映画には、そんなMÖTLEY CRÜEの生き様が、余すことなく描かれている。……もう一回観よう。


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