ikkieの音楽総研

第344回 ライヴレポート編 MR. BIG ―― ザ・ビッグフィニッシュ、フェアウェルツアー......、MR. BIG、最後の日本公演!! (後編)

2023 / 08 / 08

前置き抜きでいきましょう! 7月25日に日本武道館で行われたMR. BIGのライヴレポート、後編です! (前編はこちら

mr.big_20230725_2.jpg

名盤『Lean Into It 』の全曲再現が大盛り上がりで終わると、メンバーはステージ中央からせり出した花道の先にあるミニステージへ。ミニステージには簡易的なドラムセットがセッティングされ、ポール・ギルバート(G)はアコースティックギターに持ち替えている。エリック・マーティン(Vo)が、「僕がこのバンドのために最初に書いた曲だ」と紹介し、ファーストアルバム『Mr. Big』に収録された『Big Love 』をプレイ。エレクトリックで聴きたかった曲だけど、メンバーのハーモニーがよく聴こえたし、これはこれで味があっていい。

『Big Love』
この日、俺はこの会場にいました! エリックの歌がCD以上に凄くて驚いたなあ......

 


演奏を終えて、アコースティックギターを持ったエリックがスパニッシュ風のコードをかき鳴らすと、ビリー・シーン(B)が闘牛のポーズを取っておどける。確執があった時期もあるという二人が、こうやって仲良さそうにしているのはファンとしては嬉しい限り。そしてプレイされたのは『Hey Man』収録の『The Chain 』。エリックはどのアルバムだったのか忘れてしまっていたようだけど(笑)。続けて名バラード『Promise Her The Moon 』(これもエレクトリックで聴きたかった!)、『Where Do I Fit In 』をプレイし、ミニステージでの演奏は終了。

一足先にメインステージに戻っていたポールがエレキギターを背中に回し、アコースティックギターで奏でたのは『Wild World 』だ。カヴァーではあるものの、人気が高いこの曲に大きな歓声が上がり、サビではもちろん会場中が大合唱。ポールが背中にエレキをかついでいたから、途中で持ち替えたりするのかと思っていたんだけど、とくにそういう演出はなく(なんだったんだろう)、そのままアコギで弾きとおした。そしてエレキに持ち替えたポールが一人ステージに残り、ポールのギターソロタイム!

『Wild World』
2匹目のドジョウを狙わされた?!
当初、『To Be With You』的な曲をまたやることにバンドは乗り気ではなかったようだけど、
レコード会社の目論見通りスマッシュヒットを記録。でも、いい曲だよね

 


ポールはドラムのバスドラを踏みながらソロを弾いたり、エリックやパットに手でカポの代わりをさせて弾いたりと、単にテクニックをひけらかすだけではない、楽しいソロを毎回やってくれる。この日のポールは『Nothing But Love 』をプレイしつつ、合間にもの凄い速弾きを挟むというポールならではのプレイを聴かせてくれた。この曲はバンドでやらないんだなと、ちょっと落胆しつつも、ポールの正確無比なプレイに感嘆。そして、若いころよりもエモーショナルなプレイに説得力が増したようにも感じた。

メンバー全員がステージに戻り、プレイされたのは『Colorado Bulldog 』! とんでもなくテクニカルなプレイとジャジーなヴァースがある、MR. BIG以外にはとても書けないであろう楽曲だ。亡くなったパット・トーピーの後任として本ツアーに参加しているニック・ディヴァージリオ は、この難曲を楽しそうに演奏しており(パットもそうだった)、パットの後任にふさわしい実力を持ったドラマーだということがよくわかる。

そして、お待ちかねのビリーのベースソロタイム! 大まかな流れは決まっているんだろうけど、しっかりと練られた印象のポールのソロとは違い、ビリーのソロは感情のおもむくままにアドリブで弾いているように見える。しかし、ビリーは若いなあ。遠目で見る分には80年代からルックスが変わっていないように見えるし、プレイも若々しいけど、バンド最年長のビリーはもう70歳なんだよね。ビリーはMR. BIG以外にもいくつかバンドをやっているけど、そうやって精力的に活動を続けているからこその若々しさなのかな。

呆気にとられるしかないビリーのソロタイムに続いて、ビリーの名刺代わり、デイヴィッド・リー・ロスのバンドでもやっていたTALASの『Shy Boy 』。1コーラス目のヴォーカルはビリーが担当だ。怒涛の勢いで『Shy Boy』が終わると、ビリーとポールが楽器を肩から外し、ニックもドラムセットの前に出てくる。ああ、これで本編終了かなと思っていたら、エリックはステージからはけるようなしぐさをしつつ、ビリーに何やら耳打ち。話がついたのか(?)、ビリーとポールは楽器を肩にかけ、ニックもドラムセットに戻り、『30Days in The Hole 』がスタート。ここからはアンコールタイム?

『Shy Boy』
この日も俺はこの会場にいました! 2009年の日本武道館公演から

 


続いてはビリーがヴォーカル、ニックがギター、エリックがベース、ポールがドラムと、パートを入れ替えてTHE YOUNG RASCALSの『Good Lovin' 』のカヴァーをプレイ。そしてパートを戻してこれまたMR. BIGファンにはおなじみのTHE WHOのカヴァー『Baba O'Riley 』を演奏し終えると、今度こそメンバーたちは楽器を置き、ステージ中央に集まった。エリックにうながされたビリーがマイクを持って話し始める......。MR. BIGのライヴは何度も観ているけど、こんなの初めてじゃないかな......。聞き取りにくいところもあったから、ちょっと怪しいところもあるかもしれないけど、ビリーがたくさん話してくれたことを全部。

「トキオ! みんなどうもありがとう。明日が本当に最後のショウだ。今夜ここに集まってくれて嬉しいよ! きみたちはとても大切な存在で、友達のようであり、家族のようでもある。俺たちは、きみたちのことを愛している。きみたちは俺たちの人生に喜びをもたらしてくれた。こんなことを言うのは初めてだね......。なんて凄い体験だったことだろう......!」

「この素晴らしい国で演奏できることは、とても光栄だった。みんなとても親切にしてくれて、寛大だった。きみたちが、俺たちの人生をいい方向に変えてくれたんだ。ずっと忘れないよ。命が尽きるその時まで、きみたちを愛し続けます」

「このツアーは最後のツアーだけど、俺たちの大切な友人、パット・トーピーの思い出を讃えるツアーでもある。彼がきみたちの心にずっと生き続けているように、俺たちの心の中にも生き続けている。これからもずっと変わらない......。We Love You All, アリガトウ!」

後半にカヴァーが続いたことで、会場はほのぼのと和やかないつものMR. BIGらしい空気に包まれていたけど、このビリーのスピーチを聞いて、これが最後のツアーだったことを思い出し、本当に最後なんだな、と泣けてきてしまった。ビリーとエリックの、バンドを始めた2人がハグをしたのもグッときた。会場に流れる『All The Young Dudes 』にも......。バンドを続けることは、外野が想像する以上に大変なことばかりだ。MR. BIGは個性豊かなメンバーが揃っていたから、衝突することも多かったと聞く。バンドにとって(永世中立国の)スイスみたいな存在だった、とエリックが話していたパットがいなくなってしまって、バンドを続けることが難しくなってしまったのかな。それでも、それでも、解散はせずに、なんとか続ける方法はなかったんだろうか。そう思わずにいられない......。素晴らしいバンドだった。凄いバンドだった!

ありがとう、MR. BIG......。


2023.7.25 日本武道館 セットリスト

1. Addicted to That Rush
2. Take Cover
3. Undertow
4. Daddy, Brother, Lover, Little Boy
5. Alive and Kickin'
6. Green-Tinted Sixties Mind
7. CDFF-Lucky This Time
8. Voodoo Kiss
9. Never Say Never
10. My Kinda Woman
11. A Little Too Loose
12. Road to Ruin
13. To Be With You

-Acoustic-
14. Big Love
15. The Chain
16. Promise Her The Moon
17. Where Do I Fit In

18. Wild World (Cat Stevens) 〜 Guitar Solo
19. Colorado Bulldog 〜 Bass Solo
20. Shy Boy (TALAS)
21. 30 Days in The Hole (HUMBLE PIE)
22. Good Lovin' (YOUNG RASCALS)
23. Baba O' Riley (THE WHO)

 
 

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