ikkieの音楽総研

第332回 洋楽編 BILLY SHEEHAN ―― その魅力は超絶技巧だけにあらず! 歌心あふれる名ベーシスト、ビリー・シーン

2023 / 02 / 21

このところの急激な気温の変化に体がちょっとびっくりしています。真冬並みの寒さだったかと思えば、翌日には春みたいに暖かかったり……寝込んでしまうようなことはないけど、片頭痛だったり、体がだるかったりね。そろそろ平均して暖かくなってくれませんかねえ。はあ。……さて、今回の音楽総研は、MR. BIGなどでの活動で知られるベーシスト、ビリー・シーン をご紹介! 前回ひさしぶりにMR.BIGを取り上げて、過去記事のリンクなんかを確かめていたら、他のメンバーはそれぞれ個人でも取り上げているのにビリーだけは個人の記事がないことに気付きまして。

billy-sheehan02.jpg
ビリー・シーンはニューヨーク州出身のアメリカ人ベーシスト。タッピングやスリーフィンガー(ほとんどのベーシストがツーフィンガー)を駆使した、ベーシストらしからぬ速弾きスタイルでよく知られています。俺がビリーのことを知ったのは、ビリーがVAN HALENを脱退したデイヴ・リー・ロスのバンドに加入した86年のこと。デイヴのバンド加入前にやっていたTALAS のころから「凄いベーシストがいる!」と名の知られた存在ではあったようだけど……、インターネットもない時代に、本国アメリカはまだしも、日本ではどうだったのかなあ。知る人ぞ知る、って感じだったんじゃないかと想像しているんだけど。

デイヴのバンドへの加入が発表された時には、「ベースのエディ・ヴァン・ヘイレンALCATRAZZイングヴェイ・マルムスティーンの後任だったギタリストがデイヴと合流!」とすごく話題になっていたものの、ビリーのことは知らなかったし、ギターキッズだった俺の興味のほとんどはスティーヴ・ヴァイがエディと"張れる"ほどのギタリストなのか、ということでね。ただ、そこで初めて知ったビリーのことも、「ベースのエディ・ヴァン・ヘイレンってどういうことなんだろう」と訝りながらも、大いに期待してデイヴのアルバム を聴いたのをよく覚えています。


DAVID LEE ROTH 『Shy Boy』
この曲を初めて聴いた時の衝撃たるや......!

 


そして初めて聴いたビリーのプレイは、「これほんとにベースで弾いてるの?」って言いたくなるくらいの超絶技巧で、タッピングにしても、歪みまくったサウンドにしても、それまでに聴いたことがないものだったからほんとに驚きました。なるほど、これがベースのエディ・ヴァン・ヘイレンかと。エディにはまったく似ていないんだけど(笑)。共通点はタッピングくらい。しかし、そのプレイはたしかに凄かった。とくに衝撃だったのは動きまくるベースライン! もともとニューウェイヴを聴いていた俺は、ギターよりもベースが目立っていたり、ベースがサウンドの中心だったりするバンドは聴きなれていたけど、歌やギターソロのバックで、ソロを弾いているかのようにぐりぐり動きまくるベースなんて初めて聴いた。

その当時の俺はギターを弾き始めたばっかりで、まだまだ音楽のこともよくわかっていなかったけど、それでも、このベースは普通じゃない、ということはひしひしと感じた。ただまあ、先に書いたように、ギターキッズだった俺はやっぱりスティーヴのギターばかり聴いていたし、ビリーのことは、「凄い人がいるもんだなあ......」くらいの印象だった、ということを正直に告白しておきます。ビリーのファンになったのは、MR. BIGを聴いてからでした。


『Mr. Big - CDFF - Lucky This Time / Billy Sheehan Solo (Live in Tokyo, 1991)』
この日、俺はこの会場にいました!
MR. BIGらしいキャッチーな楽曲からのビリーのベースソロ! 俺、ギターでもこんなの弾けないわ

 


MR. BIGでもデイヴのバンドでやっていたようなギターとベースの速弾きユニゾンプレイなんかが聴けたし、ぐりぐり動きまくるベースラインも当然聴けたけど、MR. BIGでのビリーは、以前よりも歌心が増したように感じた......というか、俺の耳が少しは肥えて、それを聴き取れるようになったのかな。楽曲のスタイルの違いも大きいとはいえ、デイヴとはほとんどやらなかったバラードでのプレイや、ブルージーな楽曲でのプレイが(こう言うと語弊があるけど)意外と普通でね。これはやはりビリーの幅広い音楽性があってこそなんだろうけど、こんなふうにも弾けるのかと驚きつつ、普通だからこそ、他のベーシストとの違いが感じられたし、そのプレイの味わい深さに感動した。シャッフルの曲でのパット・トーピー(Dr)とのグルーヴィーなプレイもめちゃくちゃカッコいい......!

ビリーのベースは、その特徴的な速弾きだけじゃなく、スローなプレイであっても、一聴してすぐにビリーだとわかるよね。ビリーの凄さは速弾きだけじゃない。もちろん、ライヴを観るとソロタイムの超絶技巧に興奮するよ! するけど、超絶技巧でないビリーのプレイにこそ、俺は魅力を感じています。


『Mr. Big - Wild World』
テクニカルでないこういう曲でこそ、ビリーの凄さがよくわかる!
サビ頭のドッドッダーンってベースがぐっとくるんだよねえ......

 


MR. BIG以降のビリーのバンドやプロジェクトは、俺の好みからするとちょっとテクニカルな方向に寄っていて、実はちょっと敬遠していたりもしています。どこにいてもビリーはビリーではあるんだけど......、俺はやっぱりMR. BIGでの歌心あふれるベースが聴きたいんだよね。それはポール・ギルバート(G)にしても、エリック・マーティン(Vo)にしても同じ。MR. BIGの活動再開が、今からほんとに楽しみです。

 


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