ikkieの音楽総研

第138回 洋楽編 COZY POWELL――唯一無二、不世出の渡り鳥ドラマー

2015 / 09 / 08

今年の夏はずいぶん短かった気がしますねえ。暑い夏が苦手な俺ですが、いざ夏が終わるとなると寂しくなるのはなぜなんでしょう……。さて、今回の音楽総研は、RAINBOWやBLACK SABBATHなど数々のバンドを渡り歩いた名ドラマー、コージー・パウエルをご紹介! 音楽総研の読者の方はコージーのことなんてよーくご存知だと思いますが、コージーが亡くなってから生まれたような年若いロックファンが何かの間違いで読んでくれることもあるかもしれないし(笑)、じっくりと書いてみますよう。

ikkie_cozy.jpgコージー・パウエル は、世界で最も名前の知られたドラマーの一人。リンゴ・スターやチャーリー・ワッツの次……は言い過ぎだけど、70〜80年代からの洋楽ロックファンでコージーを知らない人はいないと断言出来るほど、名前の知られた存在です。LED ZEPPELINのドラマーの名前は知らなくてもコージーは知っている、っていう人は多いんじゃないかな。コージーは60年代からプロとしてキャリアをスタート、71年にジェフ・ベック・グループ に加入し一躍脚光を浴びると、今度はRAINBOWに加入。ジェフ・ベックやリッチー・ブラックモアといったギターヒーロー達に引けを取らない見事なドラムでその名前を世界中に知らしめ、それ以降もマイケル・シェンカー・グループWHITESNAKEBLACK SABBATHなどの大物バンドに参加。しかしそのすべてが短期間で終わってしまったことから、日本では渡り鳥ドラマーと呼ばれるようになり、その渡り鳥っぷりはマンガのネタ にもされてしまうほど。また、マンガっぽい、愛すべきキャラクターだったんだよなあ。

『Kill The King』 RAINBOW 
RAINBOW時代はさすがに映像が少なくて、
本当に紹介したい映像とは違うんだけど、
これも十分にコージーの魅力が伝わるかと思います。RAINBOWはぜひ『Stargazer』を聴いてみて!


コージーのドラムは一聴してすぐにコージーだとわかるほど個性的で、好き嫌いがわかれるかもしれないけど、RAINBOWの人気が高い日本では特に人気があり、80〜90年代には、プロアマ問わずコージーに影響を受けていそうなドラマーをたくさん見かけたものでした。個人的には、同じく人気が高かったLED ZEPPELINのボンゾことジョン・ボーナムや、DEEP PURPLEのイアン・ペイスよりも、コージーに憧れている人のほうが多かったような印象があるし、ドラムやそのほかの楽器も演奏しないようなファンに限定するなら、コージーの人気が断トツで高かったはず。ボンゾもイアンも素晴らしいドラマーだし、おそらくドラマーの間ではその二人のほうが実力的な評価は高いと思う。しかし、誤解を恐れずに言うと、コージーのほうがその二人よりもカッコ良かった。単純に見た目で言っても、ガッシリと締まった体のコージーがニヒルな表情でドラムを叩く姿は、(いかに素晴らしいプレイとはいえ)ヒゲ面でお腹の出たボンゾとイアンよりも見栄えが良かったしね。

『Slow An’ Easy』 WHITESNAKE 
これぞコージー・パウエル! 
コージーならではの硬質なドラミングが楽曲の印象を決定付けているので、
他のドラマーが叩くと魅力が半減するという……。
 


そして、コージーの叩き方はドラマーでなくても物真似が出来るぐらい特徴があったし、左右のシンバルを両手で叩くポーズなんて、誰かが物真似をするとドラマーでなくても気が付いた。ボンゾやイアンだとどうだろう? ドラムをやっている人か、マニアックな人しかわからないよね。その二人もとんでもなく素晴らしいドラマーだけど、コージーはやっぱり特別だったと思う。ドラムヒーローなんて言葉はあまり聞いたことがないけど(そんな人がいないからか、語呂が悪いからだ)、コージーはまさしくドラムヒーローだったし、ロックスターだった。左右対称だったドラムのセッティングは、おそらく見た目も計算されていたと思うし、叩き方にしても、見せ方を計算していたかもしれない。だからこそ、コージーの魅力はわかりやすかったし、コージーの真似をしたくなるドラマーが多かったんだと思うよ。

『Drum Solo』 
チャイコフスキーの『序曲1812年』に合わせて叩かれる伝説的なコージーのドラムソロ。
ドラマー以外には退屈になりがちなドラムソロを、
ちゃんとエンターテインメントとして聴かせてくれる素晴らしいプレイです。
 


もちろんコージーの魅力は見た目だけじゃない。常にスタッカート気味のパワフルなドラムこそ、コージーの魅力だ。その個性的なドラムは、先に書いたように聴けばすぐにコージーだとわかる。ギタリストにだってなかなかそんな人はいないのに、ドラムを聴くだけで誰だかわかるって凄いよ。そんな人ってどれだけいる? 俺が気付くのは、コージー以外だとアレックス・ヴァン・ヘイレン(VAN HALEN)と、樋口宗孝 さん(LOUDNESS)、ティコ・トーレスBON JOVI)ぐらい。ただ、その三人はほぼ同じバンドにいるわけで、他のメンバーのサウンドも含めて、ああ、あの人だ、と思うのかもしれない。コージーの場合はいつも違うバンドにいるから(笑)、本当にコージーのドラムだけで気付いているんだよね。やっぱりこんな人は他にいない。

コージーは98年に交通事故で亡くなった。160km以上のスピードで中央分離帯に衝突したという。コージーらしい最期だという声もあったけど、それがロック界にとってどれだけ大きな損失だったか。コージーの新しい作品が聴けないことや、もうライヴが観られないことを、心から残念に思います……。











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