ikkieの音楽総研

第244回 ライヴレポート編NIGHT RANGER―― 名盤2枚を完全再現! ドーン・オブ・マッドネス・ジャパン・ツアー 2019! (前篇)

2019 / 10 / 15

nightranger 20191015.jpg
またしても大きな台風がやってきました……。ご家族やご友人が被害にあわれた方、皆様に心よりお見舞い申し上げます。一日も早い復興と復旧を! つい先日、大きな台風がきたばっかりなのにね……。さて、気を取り直していきましょう! 先日、昭和女子大学人見記念講堂で行われたNIGHT RANGERの2年ぶりの来日公演を観てきました。10/7と10/8の2日間、観に行ったんですが、今回は10/7のレポートをお届け! 

開演時刻を5分ほど過ぎたころ、場内が暗転し、満員の客席は大歓声とともに総立ち! シンフォニックにアレンジされた『(You Can Still)Rock in America 』が流れ、「Please Welcome, NIGHT RANGER!」という野太い声のアナウンスの後、いきなり代表曲の『Don’t Tell Me You Love Me 』が登場! そう、今回は名盤と名高い『Dawn Patrol 』と、『Midnight Madness 』の完全再現ライヴなのだ。いつもはライヴ終盤に演奏されるこの曲が、アルバム同様にオープニングを飾る。今回のライヴの“スペシャル感”をいきなり実感した瞬間だった。そして、このオープニングがすこぶるカッコいい。通常ならブラッドのアルペジオからバンドが入るところを、今回は「ダッ、ダッ、ダッ! ダッ、ダッ!」という例の印象的なリズムからスタート。そのリズムに合わせてメンバーひとりずつが順にスポットライトで照らしだされる。オープニングで鳥肌が立ったのなんて、いつ以来だろう。

『Don't Tell Me You Love Me』
ファン撮影の動画。10/8の映像です。オープニングがカッコいい!
 


ジャック・ブレイズ(B,Vo)は65歳だという年齢が信じられないほど歌声もパフォーマンスも若々しく、遠目で見ている分にはデビュー当時の映像となんら変わりがない。立ち上がる白いスモークをバックに、トレードマークの赤いストラトを持ったブラッド・ギルス(G)と、ゴールドトップのレス・ポールを持ったケリ・ケリー(G)の二人が順に弾くギターソロでは「待ってました!」とばかりに歓声が沸き起こった。ケリはすっかりバンドに馴染んでいるね。続く『Sing Me Away 』、『At Night She Sleeps 』ではケリー・ケイギー(Dr,Vo)がヴォーカルを担当。こちらも変わらぬ歌声が素晴らしい! 最年少のエリック・リーヴィー(Key)の奏でるピアノで『Call My Name 』がスタート、ここでようやくジャックが「Tokyo, Japan!」と客席に呼びかける。

レア曲が2曲続いた後は定番『Eddie’s Comin’ Out Tonight 』。ブラッドとケリのギターバトルで大いに盛り上がる。「トキオ、今夜は2晩めだ。昨日はすごく盛り上がったぞ。今夜はどうだ?」とのジャックの問いに観客が大歓声で応える。『Can’t Find Me a Thrill 』をはさみ、「初めて日本に来たのは82年だ。観に来た人はいるかい?」と問いかけ、あれ、83年じゃなかったっけ……、と会場全体が怪訝に思いつつ、初来日を観た年季の入ったファンが手を挙げると、「あ、83年だった」とジャック。相変わらずボケなのか本気なのかわからない……。そして「あの頃はみんな白いシャツ着て細いネクタイしてさ。ボーイ・ジョージとかTHE CARS ヒューイ・ルイス……、NIGHT RANGERみたいなバンドはどこにもいなかったよ」と、当時の流行りを皮肉りつつ、デフォルメされたニュー・ウェイヴ風の歌唱を披露、会場が笑いに包まれる。次にプレイされたアメリカンな『Young Girl in Love 』はヒューイ・ルイスがやっても違和感ないけどな、なんて思ったのは内緒です。

Play Rough 』、『Penny 』と続けてプレイし、「俺たちはもともとRANGERって名前だったんだけど、同じ名前のバンドがいたからNIGHTを付けたんだ」とバンド名の由来を語りつつ、『Night Ranger 』をプレイ。曲間に珍しくケリーのドラムソロ……だと思ったら、「ドラムソロはやらない! グルーヴするぞ!」とリズミックにドラムを叩く。すると、ケリがスティックを持って登場、一緒に叩きだした! どんどん激しくなるリズムに客席が盛り上がっていると、なんとジャックとブラッドもスティックを持って登場し、エリックを除く全員で叩きだす。その様子は、よってたかって、というのがぴったり(笑)。こんなの初めて観たなあ。NIGHT RANGERのライヴはやっぱり楽しい!

『Night Ranger』
16年のライヴ映像。みんなでよってたかって叩く“ドラム・グルーヴ”はなし……
 


大盛り上がりの『Night Ranger』が終わると、「まだ終わらないぞ! ちょっと待って、ちょっと待って」と、いったんステージを降りるメンバーたち。次は『Midnight Madness』か、こっちもアルバムの曲順通りやるのかなあ、なんて思っていると、ステージには椅子と小さなドラムセットが。そして、メンバーが登場……、ブラッドとケリはアコースティックギターを手にしている。ジャックの「アコースティックを何曲かやるよ。この曲は知ってるかい?」とのMCに続いたイントロのフレーズに、思わず「ふわ!」と、変な声が出てしまった。なんと、『Color of Your Smile 』だ。NIGHT RANGERらしいポップなメロディが魅力的な名曲ながらも、ライヴでは全然やってくれなかったから、もう聴けないんだろうと、なかばあきらめていたんだよね。ツインギターのソロが再現されなかったのはちょっと残念だったけど、87年の発表当時からこの曲が大のお気に入りだった俺は、嬉しくて泣きそうになったよ。

『Color of Your Smile』
NIGHT RANGERらしいいい曲だ! ギターソロもカッコいいね。
しかし、もう30年以上前の曲なのか……
 


穏やかなメロディとハーモニーが美しい『Forever All Over Again 』、DAMN YANKEESの名バラード『High Enough 』、そしてこれまたレアな『Reason to Be 』を披露し(We’ve never played beforeなんて言ってたけど、前にもやってたよね)、アコースティックセットは終了。アルバム2枚やるだけでも20曲近くなるのに、まさかこんなプレゼントがあるとは思ってなかった! そして「すぐ戻ってくるよ。Midnight Madnessだ!」と、メンバーがステージを降りる。ここまででも十分に楽しめているのに、まだ名盤『Midnight Madness』が残っている……! 
(後編に続く ※10/23掲載予定)


※ikkieがなんと「出張ギター教室」を始めてしまいました!
とにかくここから  アクセス! 動画もあるよん。
http://dokodemoguitar.com/ 













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