ikkieの音楽総研

第282回 洋楽編 GUITARISTS WHO WERE INFLUENCED BY GARY MOORE ―― 没後10年、あらためてゲイリー・ムーアの影響を振り返る

2021 / 03 / 16

前回の音楽総研でENUFF Z'NUFFのことを書いてTwitterで告知したところ、なんとバンドの元フロントマン、ドニー・ヴィー 本人がリツイートといいねをしてくれたうえに、俺のアカウントのフォローまでしてくれました(嬉)! 感激しつつも恐縮してしまい、とても光栄です、ありがとうございます、と書いた俺の返信には、「どういたしまして」と日本語で返信まで! ちょっと泣きそうになっちゃった。地道に続けていると、たまにいいこともありますね。がんばろう。


さて、今回は没後10年を迎えて、未発表曲がリリース されることになったゲイリー・ムーア......、ではなく、ゲイリーに影響を受けたギタリストについてあれこれと。ゲイリーは強烈な個性と素晴らしい才能を持ったギタリストで、プロアマ問わず、彼に影響を受けたと公言しているギタリストが世界中にいます(俺も)。今回はその中でも、俺がとくにゲイリーっぽいな、と感じていたギタリスト三人をご紹介! ......これはアーティスト本人にはあまり知られたくないかもしれない(笑)。納得はしてくれるんじゃないかと思うけど。

ます一人目はジョン・サイクス! ゲイリーも在籍したTHIN LIZZYや、WHITESNAKEで知られるジョン・サイクスは、THIN LIZZYのころはかなり"まんま"のスタイルでした。とくにゴリゴリ弾きまくるマシンガンピッキングはゲイリーにそっくり! 開放弦を絡めるフレーズもゲイリーっぽかったな。WHITESNAKEやBLUE MURDERのころになると、揺れの大きい特徴的なヴィブラートで「これぞジョン・サイクス!」と世界中にそのプレイを認識されるようになっていたけど、下降フレーズでのフルピッキングや、泣きのギターにはやっぱりゲイリーの影響を感じるなあ。WHITESNAKEの名バラード、『Is This Love 』のソロを聴いて、「おい、これはまるで俺じゃないか」とゲイリーが驚いていたという逸話があります。本人も驚くほど似ているってすごいよね。しかし、ゲイリーに似ていたとしても、そんなことはどうでもいいくらい、素晴らしいソロであることもたしか。個人的にはロック史に残る名ソロだと思う。そうそう、三年前に発表されたゲイリーのトリビュートアルバムでは、思いっきりゲイリーっぽく弾いていて、それもまた最高だよ。

WHITESNAKE 『Is This Love』
87年リリースの名盤を昨年リマスターして再リリースされたもの。
サウンドがより生々しくなっているうえに、ソロは別テイクで、エンディングも違う。
たしかにゲイリーっぽいけど、この当時からジョン・サイクスのギターは
オリジナルなトーンを持っていたことがよくわかる。いいソロだ!

 


二人目はDEF LEPPARDヴィヴィアン・キャンベル。ヴィヴィアンはゲイリーと同じ北アイルランド出身。ジョン・サイクスと同様に、DIO時代のヴィヴィアンもまた、"まんま"でした。どこかで聴いたフレーズがそのまま出てくることもあったし......。ヴィヴィアンは、DIOというバンドの音楽性もあってか、マシンガンピッキングなど、ゲイリーのヘヴィサイドの影響が大きく出ていたかな。ただ、ヴィヴィアンはDIOを脱退するあたりから、ピッキングよりも左手のハンマリングやプリング(ギターの奏法)を主体にした、レガートでよりメロディアスなスタイルに変わっていて、あまりゲイリー的なプレイをしないようになっているんだよね。個人的には、スタイルが変わった後のほうが好み。そしてこれは偶然なんだろうけど、ヴィヴィアンはジョン・サイクス脱退後のWHITESNAKEやTHIN LIZZYに参加している。ヴィヴィアンいわく、「二人ともゲイリーからパクッている」ので、プレイスタイルが近いんだとか。こういうふうに言えちゃうヴィヴィアンの大ファンです。

DIO 『Don't talk to strangers』
ヴィヴィアン、DIO時代の雄姿。2:51辺りからの繰り返しフレーズがゲイリーまんまだねー

 


さて、ラストの三人目はEUROPEジョン・ノーラム ! ジョン・ノーラムにはマイケル・シェンカーリッチー・ブラックモアからの影響も感じるけど、やっぱりゲイリーの影響が大きいんじゃないかなあ。でも、ジョン・ノーラムはそのプレイスタイルについてゲイリーに皮肉を言われたことがあるらしく、「ゲイリーだって昔のジェフ・ベックみたいじゃないか」なんてことを言ったりして、ちょっとスネていた時期もあったみたい。まあ、若かりし頃は誰もが受けた影響を表に出してしまいがちだもの......と言いつつ、彼はなんというか、ギターキッズっぽいところが他の二人より強かったのかもしれないなあ。"まんま"度合が高かったような。そして、ジョン・サイクスが書いた、THIN LIZZYやWHITESNAKEの曲に似ている曲があったりもする。現在の彼にそんなところはないし、独自のスタイルを築いていて、それがまたカッコいいんだけどね。他の二人よりもブルージーで熱いプレイがこれまた俺好みです。

EUROPE 『The Loner』
ゲイリーが亡くなった後のライヴで、ゲイリーの名インストをカヴァー。ゲイリーへのリスペクトを感じる名演!

 


おそらく三人とも、ギターキッズだったころにゲイリー・ムーアに憧れて、そのプレイスタイルをコピーすることで、ギターが上達したんだろうなあ。そして、若いころはそれが前面に出ていたために、時に揶揄されることもあったにしろ、三人ともゲイリーのクローンではないし、現在はゲイリーからの影響を感じさせつつも、それぞれが個性的な自分達のスタイルを持っている。......このワールドクラスのギタリスト達が憧れたギタリストが、ゲイリー・ムーア! 今回は、ゲイリーのことを詳しく書かずに、ゲイリーの凄さを伝えることが出来たかな?

ゲイリー・ムーア 『Parisienne Walkways』
最後にゲイリー自身の名演を。オリジナルはTHIN LIZZYのフィル・ライノットとの共演でした。
日本では羽生結弦選手が使ったことでも有名になりましたね

 

 


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