シネマピア
9<ナイン>〜9番目の奇妙な人形〜
2010 / 05 / 07
人形映画だからと言って、単なる子供向け作品ではない。大人も充分に満足できる、深い作品なのだ。 人類が滅びたあとの世界。麻布を縫い合わせて作られた身体、腹部には大きなジッパー、丸いガスマスクの目、…
運命のボタン
2010 / 04 / 30
ボタンを押せば1億円が自分の手に入る。だが、その選択は自分の知らない誰かに死をもたらす。24時間以内に決断しなければ、そのチャンスはまた違う誰かのもとに渡ってしまう。欲か、モラルか。想像の中でだけな…
プレシャス
2010 / 04 / 23
今年は新人流行りか? とばかりに、新人の活躍が目立っている。『しあわせの隠れ場所』のクイントン・アーロン然り、『第9地区』のシャルト・コプリー然り。そして本作で一躍脚光を浴びたのが、お世辞にも容姿が美…
BECK
2010 / 04 / 21
「演出に驚かされた」、このひとことなのである。 鑑賞前、そして鑑賞中。私も自分なりの『BECK』を想像していたが、この映画の肝となる部分の演出は、まさに鳥肌が立つ勢い。 「原作のイメージを損なわず、…
ウルフマン
2010 / 04 / 19
アンソニー・ホプキンスとベニチオ・デル・トロの名優同士の競演と聞けば、それだけで心躍ってしまう。それにプラスして、『マトリックス』シリーズのエージェント・スミス役、ヒューゴ・ウィーヴィングも出演とな…
ザ・ウォーカー
2010 / 04 / 16
全米で『アバター』を抜き興収第1位(初日金曜日)の大ヒット作『ザ・ウォーカー』。 世紀末サスペンス・アクションの代表作、ヒューズ兄弟の映画史に残る代表作となる作品だ。 大規模な戦争によりすべてを失…
第9地区
2010 / 04 / 02
観終わった瞬間、もう1度観たくなった。レビューを書くのにこれほどワクワクする作品も珍しい。5年に1度……いや、10年に1度現れるか現れないかの絶品なのだ。 正体不明の宇宙船…
シャッター アイランド
2010 / 03 / 26
観終わったあとで、もう一度観たくなる作品である。 四方を海に囲まれ、精神を病んだ犯罪者を収容する島「シャッター アイランド」。鍵のかかった病室から人知れず消えてしまったひとりの女性患者を捜索するため…
マイレージ、マイライフ
2010 / 03 / 19
ごぞんじ、飛行機に乗れば貯まるマイル。本作は、マイルを貯めることだけが目標の主人公が人と触れ合うことの価値に気づく、王道のヒューマン・ドラマだ。 年間322日間も出張し、企業のリストラ対象者に解雇を通…
シャーロック・ホームズ
2010 / 03 / 12
実在していない人物だから「似ている」も「似ていない」もない。 だが、ロバート・ダウニーJr演じる本作のホームズは、アーティスティックでエキセントリックでかなりの変人、それなのに格闘術もずば抜けていて…
しあわせの隠れ場所
2010 / 02 / 26
互いが互いを思いやり、それなのに気を遣わなくてもよく、心からリラックスでき、経済状態も裕福なあたたかな家庭。かたや、ドラッグで崩壊した家庭に育ち、満足に学校にも行けず、満腹に食べることもできず、屋根…
渇き
2010 / 02 / 19
おおかたのバンパイアものと言えば、ファンタジックだったりロマンチックだったり、はたまたホラー的要素が強かったり……と、「この世ならざる」側面を重点的に描いている作品がほと…
パレード
2010 / 02 / 12
何ものにも表面と裏面がある。明るく太陽が照り返す名所でも、高く切り立つ崖ならば黒く濃い影を地面に落とすだろう。人間の心とて同様だ。背伸びして取り繕い、イイ人を“演じる”度合いが…
BANDAGE バンデイジ
2010 / 02 / 05
何を隠そう、私もバンド経験がある。だからこそ、本作は実に生々しく胸に響いてきたのだ。 都内の高校に通う普通の女子高生は、ある日、友達からLANDSというバンドのCDをもらう。すっかりLANDSのファ…
フローズン・リバー
2010 / 01 / 27
人間という生き物は、愚かな生き物だ。才気あふれる監督がその生き物をスクリーンに放り込み、その行動をじっとカメラに収めた結果、愚かさは一転、神聖なる輝きを放ち始める。 カナダとの国境に面する、ニューヨー…